【海外発!Breaking News】狂犬病で死んだ犬の脳組織、検査センターに届かず行方不明に(米)
TechinsightJapan / 2017年11月23日 15時31分
まれにしか発生しないものの致死率はほぼ100%と大変恐れられている「狂犬病」。米テキサス州でこのほど、その発症が強く疑われる犬が獣医のもとに持ち込まれた。しかしその死後に採取された検体となる頭部が行方不明になっているもよう。州メディアの『KLTV.com』ほかが伝えている。
狂犬病特有の症状を発症している犬が持ち込まれ、診察したのはダラスの東部に位置するテキサス州サルファー・スプリングスの動物病院「Bright Star Veterinary Clinic」。狂犬病であることが強く疑われる場合、その犬は安楽死となって頭部が検査所に送られ、脳組織(脳幹、小脳、海馬)における抗体検査で病原体診断が下る。同クリニックも州保健当局が定めたマニュアル通りのプロセスを踏んだという。
問題の犬の頭部が入った小包は地元の運送代理店によりユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)に持ち込まれ、届けられるべき先はオースティンにあるテキサス州保健福祉局の検査所であった。しかし通常24時間ほどで届く検査結果が来ないため、同クリニックは不審に思って検査所に連絡。彼らの検体は届いていないとの返事にUPSに確認すると、そちらも出荷データのなかに該当の小包が存在しないという返事であった。同クリニックのリア・ラーソン医師は「頭部は冷蔵され三重に包装され、そこに警告文のステッカーを貼って発送しました。もう2日経っているし、脳組織は検体として役に立たないでしょう」と語っている。
UPSの運送代理店の従業員が怪しいとしている同クリニックだが、問題はその小包が今どこにあり、何者かが悪用していないかということだけではない。犬やその唾液、血液などに触れたすべての人が狂犬病に感染する恐れがあることを忘れてはならないのだ。その犬が狂犬病であったのか否かを見極める手段がないなか、発症を防ぐには1週間以内にワクチン接種をスタートしなければならない。アシスタントの1名が肘を噛まれたこともあり、スタッフのすべてが「待ったなし」としてダラスの病院へ急いだ。狂犬病ワクチン接種は4~5回に分け約1か月かけて行われるため、同クリニックの事務員は「計8万ドルと大変高額になります」と説明している。
「こちらには取り扱い、出荷いずれのデータもありません。送り主には運送代理店から代金の返金があるでしょう」と説明するUPSだが、ラーソン医師は同メディアの取材に「代理店からは払い戻しなんて話は一言もありません。まだ受け取っていませんよ」と説明。何もかも信用できないといった憮然とした表情を見せたという。
画像は『KLTV.com「Dog’s head sent for rabies testing lost in mail」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)
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