【海外発!Breaking News】ケープタウンの深刻な水不足危機、実は1990年に予測されていた(南ア)
TechinsightJapan / 2018年2月6日 18時2分
水不足が深刻化している南アフリカのケープタウン。先月30日に「ダムの貯水率が13.5%になる“Day ZERO”は4月16日あたり」と発表され、市民はパニックになった。この政策で水道水が出なくなると、市民はケープタウン市内200か所に設置される水供給ポイントへ行き、1人あたり25リットルしか水を汲むことができない。しかしこの水不足が、すでに1990年に予測されていたことが明らかになった。
1月31日のケープタウンのダム貯水率は26.1%。ホテルでは観光客のキャンセルが相次ぎ、学校は“Day ZERO”になった場合には休校する可能性を示唆している。“Day ZERO”が間近に迫ったことで、ケープタウン市民はようやく危機感を持ち始めた。
その日まであと2か月ほどだが、市民は水を求めてスーパーなどに殺到している。一度使った水は「グレイウォーター」と呼びトイレの水に再利用できるが、調理や飲料、体を洗うための水は水道水が使えなくなると市販の水に頼ることになるからだ。現在ケープタウンのスーパーで水は常に売り切れ状態で、入荷すると1分も経たないうちに完売となってしまう。1970年代に日本で起こったオイルショックのような光景である。オンラインサイトでも水は入荷待ちで、水を使わないで済むウェットティッシュやハンドウォッシュ、ドライシャンプー、ボディジェルなども品切れ状態とのことだ。
さらに2月1日からは水の制限レベルが“6B”となり、一日の1人あたりの使用量は87リットルから50リットルになった。50リットルとはトイレの水を約10回流すだけの量しかない。
このような危機的状態の中で、1990年4月26日に発行された『Cape Times』紙の記事が注目されている。それによると水研究委員会(Water Research Commission)が「17年後の2007年にはケープタウンの水がなくなる。今後は排水を再処理して利用することが不可欠になるのではないか」と警告しているのだ。
故ネルソン・マンデラ氏が初の黒人大統領に就任し人種隔離政策(アパルトヘイト)が廃止された1994年以降、南アフリカでは水資源に関する議論が盛んになり、1998年には水利大臣アズマル・カダール氏が中心となって法改正が行われた。また西ケープ州6大ダムの一つと言われるバーグリバーダム(Berg River Dam)の建設が提案され、2009年にこのダムが稼働した。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
トランプ氏の放水命令で数十億リットルの水が無駄に 専門家
AFPBB News / 2025年2月5日 12時32分
-
消火栓から水が出ない…米ロサンゼルスの"大規模火災"に消防隊が苦戦している"乾燥と強風"以外のワケ
プレジデントオンライン / 2025年1月16日 7時15分
-
「水!水ですよ!」地震と豪雨で2回も断水…水道局への感謝に反響 復旧まで時間がかかった問題とは
まいどなニュース / 2025年1月16日 6時55分
-
大人のインフラ紀行 第9回 玉川兄弟が造った多摩川「羽村の堰」は現役371年目。今も東京の上水道を支える江戸の技術とは
マイナビニュース / 2025年1月15日 11時0分
-
ロス山火事で水道電力局を提訴、貯水池の管理不備と住民ら主張
ロイター / 2025年1月14日 12時37分
ランキング
-
1メキシコ衝突事故、41人死亡 バスとトラック炎上
共同通信 / 2025年2月9日 19時1分
-
2ガザ南北分断区域から撤退 イスラエル軍、報道
共同通信 / 2025年2月9日 22時9分
-
3【速報】トランプ大統領「鉄鋼・アルミニウム製品に25%関税」の方針 すべての国が対象 米メディア報道
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月10日 6時55分
-
4死亡女性、日本大使館にDV訴え ハンガリー邦人殺害
共同通信 / 2025年2月9日 17時39分
-
5北朝鮮総書記、より高度な核戦力の開発を表明=国営メディア
ロイター / 2025年2月10日 8時3分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください