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【海外発!Breaking News】診察のため仕事を休み会社から罰金 糖尿病の男性、その後病院へ行けず死亡(英)

TechinsightJapan / 2018年2月9日 6時0分

「夫は『休めば罰金』というDPDの規則に常に脅かされていました。大量の荷物をタイトなスケジュールで配達しなければならず、自分の健康よりも会社の要求を優先していました。亡くなる数日前も夫の具合はかなり悪く吐血までしていたのです。それでも『仕事をしたくないがしなきゃいけない。業務委託だけど雇用されているのと同じだ』と話していました。会社側は医師の診察を受けなければならないほどの夫の容態をもっと配慮すべきだったのです。」

一方でDPDの地域担当マネージャーは、レーンさんの死亡の知らせを受けてこのように述べた。

「病院に行くために、わざわざ1日休みを取らなければならないという考え自体が私の理解の範疇を超えていた。それゆえ、規約通り罰金が科せられて然るべきだと判断したまで。こちらも彼の様子を気を付けて見ていたが、9月に倒れたことは知らなかった。2014年以降、彼の体調が良くないと知ってからはなるべく荷物の量を減らし、静かな田舎のルートでの配達を任せていた。その方が病院の予約を取るのに都合がいいのだろうと思っていた。ただ、彼からは仕事のプレッシャーを感じて罰金を恐れているようには感じられなかった。クリスマス時期でもこうした業界の配達ドライバーは余分に仕事をこなすが、彼はいつも通りのルートを配達していただけだった。吐血するほどの状態だったことに気付かず、我々も彼の死にショックを受け悲しんでいる。」

さらにDPD側は、ドライバーの具合が悪い時には代わりのドライバーに仕事を頼むなどの選択肢を設けており、もし代わりの者が見つからなくても他のドライバーで配達ルートを変更し合って業務をこなすことも可能だと主張している。とはいえ個々の過度の業務内容に変わりはなく、罰金制度が敷かれているという事実から休みを取ることを恐れるドライバーは決して少なくはないだろう。その事実を裏付けるかのように、レーンさんの同期という男性ドライバー(本人の意思で名は明かされず)はこのように話している。

「レーンさんは本当に具合が悪そうでした。でも会社は彼が糖尿病を抱えていることを知っていながらも、その体調を配慮することは全くありませんでした。会社はドライバーが体を壊すまで仕事を押し付けるんです。彼が亡くなった原因のひとつは過労ではないかと思っています。」

現在、イギリス国内のDPDでは約5,000人のドライバーがいる。彼らには制服着用が義務付けられDPDのロゴ入りのバンをドライバー側がレンタルしなければならず、他の運送会社と掛け持ちで働くことは許されない。厳しい規約を敷くDPDに、「IWGB union(英国独立労働組合)」の副会長を務め、自身も配達業で生計を立てているマギー・デューハーストさんはこのように苦言を呈した。

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