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【海外発!Breaking News】ダウン症の息子を餓死させた60代両親 成人で特別児童扶養手当が終了し立腹(米)

TechinsightJapan / 2018年3月5日 4時0分

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ダウン症を含め、障がいを持った子供を育てている親の心身の苦労や疲労は察するに余りある。だからこそ社会は医療費助成制度、特別児童扶養手当、税制の優遇、自治体により公共交通機関利用費の優遇といった各種の補助、支援、優遇制度でその家庭全体を守っていく必要がある。だが米ケンタッキー州のある夫婦はいつしかその上にあぐらをかくようになり…障がいを持つわが子に対する許されない虐待致死事件の話題が飛び込んできた。

ケンタッキー州クラーク郡保安官事務所の発表をもとに州のメディア『WKYT-TV』が伝えたところによれば、ダウン症の息子を昨年12月に餓死させたとして父親のアルバート・クリスティ(61)、母親のパツィー・クリスティ(65)の2名が逮捕され、殺人罪で起訴されたもよう。動機について警察には「行政から扶養手当の打ち切りを知らされて腹が立った」などと供述しているという。

亡くなったのは同郡ウィンチェスターのスクールレーンという町に両親とともに暮らしていたローガン・クリスティさん(20)。ダウン症候群の障がいを理由に長年にわたり家庭には特別扶養手当が支給されていたが、アメリカの成人年齢である18歳になった時に支給が終了。これに腹を立てたアルバートとパツィーはローガンさんを部屋に閉じ込めて虐待するようになり、ロクな食べ物を与えなかったためローガンさんは餓死した。

検死が行われた時のローガンさんの体重は27.6kgにまで落ちており、肺炎を起こしているうえ、深刻な脱水症状と栄養失調が確認された。「意識不明になる13分前に息子に食事を与えた」とパツィーは主張していたが、医師は胃の中は空っぽだったとしている。アルバートとパツィーの身柄はクラーク郡拘置所に送られ、保釈保証金はそれぞれ100万ドルと設定された。

手当の打ち切りにただ腹を立て、怒りや絶望感を障がいを持つわが子に向けたアルバートとパツィー。彼らが本来やるべきことは、自分たちの年齢、健康状態、就労や収入といった生活の状況、そしてローガンさんが成人後も職を得ていないことを行政機関の窓口や担当者に相談することで、これにより成人を対象とした障害年金受給への切り替えを申請するべきであった。

ダウン症の子供の養育に関しては日本にも同様の制度がある。療育手帳を受け取り、居住地の役所で20歳未満の障がいを有する児童を対象とした補助金を申請すると、扶養者に「特別児童扶養手当」が支給される。また20歳になれば特別障害者手当や障害基礎年金(国民年金)などの受給を検討することになり、障がいが重度であれば心身障害者医療費の助成などもある。

ほかにも税制の優遇や公共交通機関利用時の優遇など具体的な内容は各市町村の相談窓口で確認することになるが、障がいを持つ者に代わり家族には各種の相談、申請や更新の手続き、そういったものを怠らない心掛けが強く求められ、民生委員など地域住民による理解やサポートも必要である。また「障害者自立支援法」に基づき、将来的には仕事に就くことができるよう社会では自立支援に向けた動きが非常に活発化していることを是非とも知っておいて頂きたい。

画像は『WKYT-TV 2018年2月27日付「Clark County couple accused of murdering adult son with Down syndrome」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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