【海外発！Breaking News】道を尋ねただけの14歳黒人少年、家主に銃弾を放たれる（米）

米ミシガン州でスクールバスに乗り遅れて徒歩で学校へ向かおうとしていた14歳黒人少年。しかし学校までの道のりを見失い、ある家で道を尋ねようとしたところ、家人に叫び声をあげられ家主に銃を放たれた。幸いにも少年は無傷だったが、殺人の意図があるとして警察は家主の男を逮捕した。『New York Post』『CNN』『The Independent』など複数メディアが伝えている。

ミシガン州デトロイトの郊外に住む女性から4月12日の朝8時20分頃、オークランド郡警察に通報が寄せられた。その内容は「夫が黒人の強盗犯を追いかけて行った」というもので、警察官が駆け付けてみると銃弾が放たれた形跡があった。強盗犯と思われた黒人少年は家から離れた通りに逃げていたが、警察が少年と銃を放った男に事情聴取を行ったところ、供述に食い違いがあることがわかった。

ブレナン・ウォーカーさん（14歳）はこの日、寝過ごしてしまったためにスクールバスに乗り遅れた。自宅から学校まで徒歩で向かっていたが、6.4kmほど歩いたところで道に迷ってしまった。そこで退職した元消防士のジェフリー・ジーグラー（53歳）宅をノックした。応対に出たジーグラーの妻が彼の姿を見て叫び声をあげたため、ブレナンさんは道に迷ったこと、ロチェスター高校までの道のりを尋ねたいことを説明しようとした。しかし女性は「どうしてうちに押し入ろうとするの！」と叫び続けた。そこへ2階からショットガンを手にしたジーグラーが下りて来たのを見てブレナンさんが逃げ出すと、ジーグラーはすぐに銃弾を放った。

ジーグラー宅には数台の防犯カメラが設置されており、警察がカメラの映像を確認したところ、ブレナンさんがジーグラー宅に押し入った形跡は全くなかった。13日に殺害の意図を持ってブレナンさんに銃を放った暴行容疑と銃器所持で逮捕されたジーグラーは罪状を否認し、判事に「もっと知られていない事実があるが、それは裁判で明らかにされるだろう」と事件の裏付け証拠となる防犯カメラ映像とは異なる供述をしたという。

幸いにも無傷だったブレナンさんだが、彼の母リサ・ライトさんは捜査員から防犯カメラの映像を見せられ「ヘイトクライム」を主張した。

「ジーグラーの妻は、息子に向かって『なぜ、この人たちは私の家を狙うの』と発言していました。息子は1人で訪ねているのに『この人たち』と言っていたんです。それが黒人全体を意味しているのだとすぐに分かりました。息子への攻撃は人種差別が動機となっているに違いありません。肌の色だけで恐れるべきではないし、攻撃をかわそうと逆に攻撃してしまうような社会に住まなければならないのは間違っている気がします。私でも、尋ねたいことがあれば近所の家をノックして尋ねますよ。それはごく普通のことではないのでしょうか。」

保釈金5万ドル（約535万円）が設定されたジーグラーは後に釈放となったが、所有する全ての銃器を押収され、GPSによる監視が義務付けられた。また公判中は自宅に戻ることを禁じられ、ブレナンさん一家が住むロチェスター・ヒルズから少なくとも16km離れた場所に留まること、ブレナンさん本人および彼の家族に一切の連絡を禁ずる命令が下されている。

画像は『Metro　2018年4月14日付「Man ‘shot at lost black schoolboy asking for directions’」（Picture: WXYZ-TV/YouTube）（Picture: Oakland County Sheriff’s Office）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　エリス鈴子）