【海外発!Breaking News】わが子を死産で失った母犬、親のいない仔猫の“ママ”に(シリア)
TechinsightJapan / 2018年6月1日 14時22分
お腹にいた全ての子どもを死産で失ってしまった母犬。犬であっても母としての悲しみは人間同様だ。しかしその母犬の前に孤児となった仔猫が現れた。現在、母犬はその仔猫をわが子のように可愛がっているという。中東シリアから心温まるニュースが届いた。『Metro』『Love Meow』などが伝えている。
7年前に内戦が勃発して以来、現在も内戦終結の見通しが全く立っていないシリアでは、多くの尊い命が失われ命からがら国外へと脱出を図る人々も多い中、今もシリアに留まり生活を続ける人も存在する。「アレッポのキャットマン」と呼ばれるモハマッド・アラー・アルジャリールさんもそのひとりだ。彼は飼い主に置き去りにされた猫たちのためにアレッポに聖地を作り、ボランティアの人たちと猫の救済・保護活動に日々奔走している。その聖地に、最近になって1匹の犬が加わった。
ある日、野良犬に出会ったモハマッドさんは、猫の聖地でこの犬を保護することにした。“アミラ”と名付けられた犬は保護された時に妊娠しており、モハマッドさんはアミラが出産に向けて穏やかで居心地のいい環境で過ごせるようにと猫の聖地の隣に小屋を作った。やがてアミラは産気付いたが、不幸にも生まれてきた仔犬全ては死産という悲しい結果となってしまった。聖地でモハマッドさんと一緒にボランティア活動をしているアレッサンドラ・アビディンさんはこのように話した。
「悲しくてショックでした…。私たちはアミラにクマのぬいぐるみを与えました。仔犬の代わりにアミラがぬいぐるみを抱くことで、少しでも悲しみが癒されるようにと思ったのです。」
しかしその後、アミラに大きな変化が訪れた。アレッポの通りでモハマッドさんたちに救助・保護された1匹の仔猫と運命の出会いを迎えたのである。聖地に連れて来られ“ジュニア”と名付けられた仔猫は、アミラの抱いていたクマのぬいぐるみに興味を示しゆっくりと近寄った。ジュニアもまた母親を失いアミラ同様“ひとりぼっち”の境遇だったため、温かさを欲していたのだろう。そろそろと近付いてきたジュニアの小さな鼻がアミラの顔に触れると、アミラはたちまち愛情を感じたようだ。数日後には、ジュニアのおかげでアミラはもうぬいぐるみを必要とせず、2匹はぴったりと寄り添いまるで親子のように離れられない存在となった。
小さなジュニアが背中に上ったりまとわりついてきてもアミラは決して怒ることなく、むしろとても幸せそうな様子だ。Facebookアカウント「Alaa and house of Cats Ernesto in Aleppo」には、アミラとジュニアが同じ皿から一緒に餌を食べたりじゃれ合ったり、昼寝をしたりする微笑ましい姿が数多く投稿されている。辛い経験をしたであろう2匹だが、今は互いに寄り添い癒される存在ができたと確信しているようだ。
現在、この聖地にはおよそ80匹の猫が保護されているという。不安定な情勢の中、危険と背中合わせのアレッポでリスクを背負いながらも、モハマッドさんらボランティアたちの救済活動はまだまだ続いていく。
画像は『Alaa and house of Cats Ernesto in Aleppo 2018年5月11日付、2018年5月9日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
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