【海外発!Breaking News】南ア「ケープタウン国際空港」の名前が変わる!? 意見交換会は歌に踊りに大混乱
TechinsightJapan / 2018年6月8日 17時1分
南アフリカで6月4日、ケープタウン国際空港(CPT)の名称を変更するための意見交換会が開催されたが、参加したグループはそれぞれの主張を叫び、歌を歌ったり踊ったりと会場は大混乱となったもよう。いかにも南アフリカらしい会議の様子を『IOL News』など複数のメディアが伝えている。
4月2日に死去した故ネルソン・マンデラ元大統領の前妻ウィニー・マディキゼラ・マンデラさんの葬儀の際、野党EFF(経済的解放の闘士)のジュリアス・マレマ党首は「彼女の功績を称え、CPTの名前をウィニー・マディキゼラ・マンデラ空港に変える」と宣言した。
これには多くの人が賛同し今月4日、南アフリカ空港会社(ACSA)の主催でCPTの名称を変更する意見交換会が開催された。しかし狭い会場には一般人を含むおよそ800人が詰めかけ、開催前から参加者が大声で歌を歌い始めるなど異様な雰囲気に包まれた。蓋を開けてみれば、きちんと意見を発表できたのはたったの3名で、その後は各々が候補者名を叫ぶだけというカオス状態であったようだ。
この会議でEFFは、党首の宣言通り「ウィニー・マディキゼラ・マンデラ空港」とすることを主張したが、Khoisan group(コイ人とサン人のグループ)は「彼女はケープ州と関わりがない。我々の主張が通らないのであれば戦争だ」などと猛反発する姿勢を見せた。また他のコイ族グループは、17世紀にオランダのために働きコイ語の通訳をしていた女性にちなんで「クロトア(Krotoa)空港」を主張し一歩も引かなかった。
ACSAはその後、聞く耳を持たず勝手に踊りだしたEFFとKhoisan group支持者にあきれ果て、「空港の名前は誰が一番大声で叫んだかなどといった基準で選ばれることはない。あなたたちの脅しには応えることはできない」として会議を打ち切った。この結末に参加者らは「主催者側の準備不足としかいいようがない」と落胆を隠せない様子だった。
ちなみに『IOL News』は5月29日、Twitterに4名のアパルトヘイト時代の革命家の名前を挙げ「CPTに代わる最もふさわしい人物は?」というオンライン調査を行った。その結果、“国家の父”として知られるネルソン・マンデラ氏には調査に参加した13%が支持を表明していた。
民族解放運動指導者としても知られ、パン・アフリカ人民会議(PAC)の創設者でもあるロバート・ソブクウェ氏は9%だった。ソブクウェ氏はその生死が国際世論に影響を与えるとしてロベン島刑務所でも特別扱いされていたという。3%と伸び悩んだのがマンデラ氏の師でありアフリカ民族会議(ANC)副議長を務めたウォルター・シスルの妻アルバティーナ・シスル氏であった。彼女は反アパルトヘイト闘争指導者の1人で“ママ・シスル(MaSisulu)”として国民から慕われていた。
そして75%という圧倒的な支持を得たのが、EFFが推すウィニー・マディキゼラ・マンデラ氏であった。“母なる都市(Mother City)”と呼ばれているケープタウンだけに“国家の母(Mother of the Nation)”であった彼女の名前を空港施設の名をして残すことは理にかなっているのだろう。
果たしてどんな名前が選ばれるのか。ACSAは6日に名前の応募を締め切っている。
画像は『IOL News 2018年6月4日付「WATCH: Cape Town airport renaming meeting descends into chaos」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)
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