【海外発!Breaking News】ドナーになる患者に敬意 病院スタッフらが“最期”の見送り(米)<動画あり>
TechinsightJapan / 2018年10月6日 13時0分
いくら患者本人の望みであっても、愛する人の最期を迎える家族にとって臓器提供の決意をすることはおそらく容易ではないだろう。しかし1人の患者からなされる臓器提供で、多くの人の命が救われる。死を迎えるにあたり、ドナーとなる患者は見知らぬ誰かに“命”という最高のギフトを贈ることができるのだ。このほど米アイダホ州の病院で、ドナー患者となったひとりの男性を病院スタッフらが総出で見送るための“敬意の歩み”が行われた。『Storytrender』『6abc Action News』などが伝えている。
アイダホ州メリディアンにある病院「St. Luke’s Meridian Hospital(セント・ルークス メリディアン病院)」で9月27日、“Walk of Respect(敬意の歩み)”と呼ばれる特別な儀式が行われた。
この病院では、あらゆる臓器提供患者への敬いの気持ちを表すために医療スタッフらが患者の家族や友人らと一緒に廊下に並び、静かに手術室へと運ばれるドナーを見送ることにしている。この日も53歳の男性患者(家族の意思により名は公表されず)がICU(緊急治療室)から臓器摘出手術が行われる手術室へ向かう途中の4階廊下に現れると、人々らは静かにその様子を見守った。
生命維持装置を装着された男性のベッドが医療スタッフにゆっくりと押されて行く。男性は家族に最期の瞬間まで支えられながら、手術室へと向かうエレベーターに乗り込んだ。その後、手術室で生命維持装置が外された男性は、家族に見守られながら穏やかに息を引き取り、臓器が摘出された。
誰ひとり声を発しない“沈黙の追悼”がなされた様子を動画に収めたのは、広報担当マネージャーのアニータ・キッシーさんで「このような心震える場面に居合わせられたことを光栄に思います」と話している。また、同病院のスポークスマンはこのように語った。
「集まることが可能なスタッフ全員で、ドナー患者を見送らせて頂きました。これは命という素晴らしい贈り物を残してくれる患者に敬意を表すというだけでなく、様々な感情を抱えているであろう家族をサポートさせて頂くための儀式なのです。」
なお、同病院ではこの日以外にも同じ週に2回、“Walk of Respect”が行われたという。
画像は『Storytrender 2018年10月3日付「Medical staff line hospital walls to offer emotional ‘walk of respect’ to organ donor」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
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