【海外発!Breaking News】マクドナルドで32年間働き続けた50歳ダウン症男性が退職(豪)
TechinsightJapan / 2018年12月19日 16時30分
「障害を抱える人を差別しない」という社会があるからこそ、障害者であっても職場で働き続けることができる。しかし現実的にはまだまだ世間の障害者への壁は厚く、このように理解ある職場は少ないだろう。このほどオーストラリアのマクドナルドで、18歳の時から32年間働き続けたダウン症の男性が退職したニュースを『Stuff.co.nz』『Mirror』などが報じた。
豪ニューサウスウェールズ州シドニー西部ノースミードのマクドナルド店には、地元のアイコン的存在として知られた人物がいた。
ダウン症で生まれたラッセル・オグレイディーさん(50歳)は、18歳の時から32年にわたり地元のマクドナルドで働き続けてきた。このたび50歳を迎えたラッセルさんは、ついに退職の日を迎えた。
1986年にラッセルさんがマクドナルドで働き始めたのは、豪政府の雇用取り組みを支援する『Job Support(ジョブサポート)』のプログラムがきっかけだった。Job Supportでは、知的障害者らが可能な限り職場で訓練を受け、仕事を維持させていくことを目的とした雇用支援対策を行っており、ラッセルさんは当初、職業訓練研修生として働き出したものの雇用側がスキルを高く評価し、そのまま勤務を継続することとなった。
ラッセルさんは、テーブル周りのゴミを奇麗に片付けて拭き掃除をするだけでなく、窓やドアの拭き掃除、更にはトイレ掃除やストローやナプキンを補充する作業をこなしていた。そしてやって来る客には常に笑顔を向け、「こんにちは!」と元気に挨拶をしていたという。
2年前、Job Supportはラッセルさんの勤続30周年を祝ってパーティーを開いた。そして今回、退職することとなったラッセルさんに店のスタッフらは別れを惜しみ、店の監督者コートニー・パーセルさんは良き仲間についてこのように語った。
「ラッセルさんの勤務日は木曜と金曜だったのですが、その日に合わせてラッセルさんに会いに来る常連客もいるぐらい、彼は店の人気者でした。スタッフたちはラッセルさんのことを気にかけていたので、彼がもう来なくなると思うと本当に寂しいです。」
また、「兄はとても仕事を愛していた。懸命に働いてきた兄を誇りに思う」と明かすラッセルさんの弟リンゼイさん同様、父ジェフさんも2年前の30周年パーティーの席で「息子は、ノースミードでは知られた存在です。街で息子を見かけると、声をかけたり握手をしてくれる人もいます」とラッセルさんがいかに誰からも好かれ、地元のアイコン的存在であるかを誇らしげに話していた。
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