【海外発!Breaking News】18年前に誘拐された男性 「老け顔化」させるAI技術で両親と再会(中国)
TechinsightJapan / 2019年7月22日 21時7分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/japantechinsight/japantechinsight_623399_0-small.jpg)
ロシア製顔写真編集アプリ「FaceApp(フェイスアップ)」を使った“老け顔”は、写真を未来の姿に加工できるとあって人気を集めているが、中国で無料通信アプリ「微信(ウィーチャット)」を展開する大手IT・ネットサービス会社「テンセント(騰訊)」も、同アプリと同じような機能を持った「AI(人工知能)技術」を開発している。このほど中国で、3歳で誘拐された男性が実の両親と18年ぶりに涙の再会を果たしたが、事件解決の糸口となったのはテンセントのAI技術だった。
今月18日、3歳で誘拐され18年もの間行方不明だったユー・ウェイフォンさん(Yu Weifeng、21)が実の両親と再会を果たした。広東省深セン市福田区の警察がテンセントと協力し、誘拐当時の写真から18年後の顔を作成し、膨大なデータベースと照合させた。AIが探し出した100人の候補者はその後1人に絞り込まれ、DNA鑑定により父親ユー・シンチュアンさん(Yu Xingquan)と母親ロン・ムーファンさん(Rong Muhuan)の実の子供であることが確認された。AIを駆使した作業には2か月が費やされたという。
ウェイフォンさんは2001年5月6日、シンチュアンさんが作業長として働いていた福田区の建設現場の近くで遊んでいたところを誘拐された。ウェイフォンさんの実の両親は18年間、チラシや写真を配りながら近隣都市をくまなく捜し、情報提供者には10万元(約157万円)の報酬まで用意していたが、息子を捜し出すことはできなかった。捜査にあたったチャン・ヂェンハイ氏(Zheng Zhenhai)はこの事件について、次のように述べている。
「すぐに捜査を開始しましたが、当時のテクノロジーでは限界がありました。監視カメラの映像も全てチェックしましたが、人の出入りが多すぎて捜査に進展はなかったのです。しかし私たちは決して諦めることはありませんでした。テンセントのAIテクノロジーを駆使することで、18年後のウェイフォンさんの顔写真を作成することが可能になり、捜査は急展開を迎えました。ウェイフォンさんを18年間育てた養父母は、彼にリーという名前を付けていました。」
「ウェイフォンさんは広東省広州市在住の学生ですが、自分が誘拐されたという事実を信じようとはしなかったのです。しかしDNA鑑定が決定的な証拠となりました。」
シンチュアンさんはウェイフォンさんと感動の再会を果たした席で、養父母に「18年間息子を育ててくれて感謝しています。これから息子には2人の父親が、私には兄弟ができるのです」と語っていたものの、養父母がどのような経緯でウェイフォンさんを育てることになったのかは明らかにされていない。福田区警察は2001年の誘拐事件に養父母が関わっていたのか、組織的な誘拐だったのかなどについて引き続き調査を進めているが、今のところ逮捕者は出ていないという。
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