【海外発!Breaking News】家庭内暴力防止策で市長が提唱「連休前の成績表配布をやめよう」(台湾)

TechinsightJapan / 2019年8月31日 5時50分

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台湾・新北市教育局は23日、新北市公私立校長会議を行い339人の校長が出席した。その中で新北市の侯友宜市長が、小学校で「連休前の成績表配布をやめよう」と提唱し物議を醸している。『自由時報』『公視新聞網』などが伝えた。

侯友宜市長は成績表が家庭内暴力の一つのきっかけになる可能性があるとし、連休明けに学校に来ても傷が薄れていたり、子供の気持ちが落ち着いていたりして教師が異変に気付きにくいことなどから、「連休前に成績表を配布しないことが家庭内暴力防止につながる」「学校側はこうした小さなところから関心を持っていく必要がある」と語った。

台湾教育部では現在、1学期に少なくとも1回は評定結果を保護者に通知するよう規定しているが、その時期は定めておらず、各校の判断に委ねられている。侯友宜市長の提唱について、その他の行政区や教育界の反応はさまざまだ。

台湾家長教育連盟理事長の謝國清氏は、市長の提唱を支持する考えを示したが「根本的な問題解決には、成績を重視しすぎる保護者の考え方を変えていかなければならない」という。

また桃園市政府新聞處長の詹賀舜氏は、「成績の良し悪しが親の情緒や家庭内暴力に影響するかどうかは、親自身の情緒コントロールの問題であり、成績表の配布時期とは直接的な関係はないだろう」と話す。詹氏によれば、桃園市の小学校では成績表は学期末に一度配られるだけで、優・甲・乙・丙・丁などの段階評価にとどまり、クラスや学年での順位は公表されていないそうだ。

台南市の黃偉哲市長は、侯友宜市長の意見が犯罪心理学の視点から考えられたものと理解を示したうえで、「台南市において成績表の配布時期は各学校の判断を尊重する」とした。

一方で、当の小学生たちはどう思っているのだろうか。「連休前に成績表が配られなかったら、休み中の気分に影響がなくて良い」という声もあるが、「連休前に配っても配らなくても成績が原因で家庭内暴力が起きる家庭なら、問題の解決にはならない。問題にちゃんと向き合うべき」「いつ配られても怒られるものは怒られる。成績を上げる努力をすることが大事」など成績表の配布時期を変えても家庭内暴力の防止にはつながらないという意見もあがった。

侯友宜市長は「連休前に成績表を配布しない」というのは提案に過ぎないと強調したが、新北市教育局は家庭内暴力防止の一環として新学期から取り組みを始める意向を明らかにしている。同局の張明文局長によれば、米フロリダ州の調査で成績発表の時期と家庭内暴力の発生に関係があることが分かっているそうだ。そのため新北市の小学校では、新学期から学力テストの時期を調整するなどして連休前に成績表が配られる状況を避けるよう提唱していく方針だという。

画像は『自由時報 2019年8月24日付「避免家長生氣 新北倡連假前不發成績單」(記者周湘芸攝)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)

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