【海外発!Breaking News】赤ちゃんのために購入した家は薬物密造拠点だった 妊婦の血液から覚せい剤検出(米)
TechinsightJapan / 2019年9月26日 21時30分
米ミズーリ州の女性が妊婦健診で行った血液検査で、覚せい剤の成分が検出された。女性は一度も覚せい剤を使用したことがなく、赤ちゃんのためにと購入した自宅の調査を始めたところ、意外な事実を突き止めた。『KSDK.com』『CBS News』などが伝えている。
ミズーリ州ジェファーソンに住むエリーシャ・ヘッセルさんは、まだ妊娠初期だった春の血液検査で覚せい剤アンフェタミンが検出された。エリーシャさんや夫のタイラーさんもこれまで覚せい剤には一度も手を出したことがなく、夫婦は購入して間もない4LDKの一戸建て住宅について調べ始め、その結果に愕然とした。自宅は2013年に‟メスラボ(覚せい剤の一種メタンフェタミンの精製所)”として警察の捜査が入り、密造拠点として警察が保有するリストに掲載されていた。
ミズーリ州では、メスラボ住宅の売買の際には買い手への情報公開が義務付けられているが、夫婦は郡警察のデータベースを閲覧するまでその事実を全く知らされていなかった。ただ、引っ越しをした際に隣人から「やっと普通の人が来てくれて喜んでいるのよ。違法薬物の押収とかなんとかで警察がやってきて、騒がしかったこともあったからね」と言われたことを思い出したという。
エリーシャさんはその後、専門家トム・アルフォードさんに家の汚染度の調査を依頼。その結果、換気扇や家の床、キャビネットなどありとあらゆるところから危険な量の覚せい剤の残留物が発見されたため、現在は母親の家に身を寄せている。残留物の除染には約1,070万円(10万ドル)の費用がかかるうえ、保険も利かないそうだ。
トムさんは「空調システムによって拡散された覚せい剤は、6年経っても家の中に相当量が残留します。それを吸い込むことで肺に入り込み、覚せい剤の陽性反応が出ることは十分に考えられます。11年前に密造拠点だった家が汚染されていたケースもあるほどです」と述べている。一方で『WSB-TV』は、州や国の法律では買い手への家の情報公開を怠ったり、クリーニングをせずに売買しても処罰されることがないため、買い手に伝えることなく売り切る業者の存在を指摘している。
エリーシャさんは3年間不妊で悩んでいたことを明かしており、やっと授かった命が危険に晒されていることについてこう述べた。
「最近行った血液検査では覚せい剤は検出されませんでしたが、赤ちゃんに異常がないかどうかは生まれるまで分からないのです。赤ちゃんは女の子だと聞いていますが、心配でなりません。出産時の血液検査で赤ちゃんに覚せい剤の陽性反応が出た時は、社会福祉課の児童相談所が介入することになっています。」
なお、今月22日には親戚によって寄付金サイト「GoFundMe」にアカウントが設置され、夫婦の自宅の除染資金を募っている。エリーシャさんは「赤ちゃんのために夢のマイホームを買ったのに、こんな結果になって残念です。今後のことも決まっておらず怒りばかりが込み上げてきます」と憤慨している。エリーシャさんの出産は来年1月に迫っている。
画像は『KSDK.com 2019年9月24日付「These parents had no clue they were living in a former meth lab, now the mom-to-be has tested positive for meth」』『GoFundMe 2019年9月22日付「Support Tyler and Elisha Hessel」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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