【海外発!Breaking News】絶滅危惧種のゾウが銃弾70発を受け死亡 報復か?金目当てか? 牙も切り取られる(マレーシア)

TechinsightJapan / 2019年10月5日 21時0分

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マレーシア領ボルネオ島で先月下旬、絶滅危惧種のボルネオゾウ(ボルネオ・ピグミーゾウ)が銃弾70発を受けて死んでいるところを発見された。ゾウはオスで2本の牙が切り取られており、当初は密猟目的の犯行であると思われていたが、その背景にはアブラヤシ農園の開発に伴うボルネオゾウの生息地減少といった深刻な問題が潜んでいたようだ。『The Star Online』『New Straits Times』などが伝えている。

ボルネオ島サバ州タワウ地区で9月25日、ボルネオゾウが死んでいるのを釣りにやってきたグループが発見した。ゾウの死骸は川の中に放置されており、その首にはロープが巻かれ近くの木に繋がれていた。またゾウの2本の牙は切り取られていた。

検死解剖の結果、ゾウは至近距離から70発もの銃弾を受け、そのうちの1発はこめかみ左に打ち込まれていたことが判明した。このゾウの映像はSNSに投稿されて拡散し、サバ州野生動物局(Sabah Wildlife Department、以下SWD)は急遽会見を開いた。同局のオーガスティン・ツゥーガ氏(Augustine Tuuga)は会見の席で「こめかみに弾丸が撃ち込まれた場合は即死する。ただこのゾウが即死だったのか、どのくらい長く苦しんだのかはわからない。このように動物を殺すことは残忍であり、許されるものではない」と憤りを露わにした。

SWDは当初、犯人の情報提供者に約25万円(1万マレーシアリンギット)の報酬を用意していたが、その後イギリスのチャリティー団体などの支援もあり、その額は約75万円(3万マレーシアリンギット)に引き上げられた。そしてタワウ地区警察は今月2日までに、48歳から68歳の外国人1人を含む6人を逮捕、ボルネオゾウを殺害したとみられるライフル銃や手製の銃、切り取られた牙を押収した。

逮捕されたうちの2人はアブラヤシ農園に動物が侵入するのを見張る監視員で「銃弾の多くはゾウの厚い皮に阻まれた。発射した全ての銃弾が撃ち込まれたわけではない」と話しているというが、警察は「70発の銃弾は、農園に侵入したゾウを‟殺す”ためであったのは明らかだ。そのうえで金になる牙を切り取ったということだろう」と報復と密猟が同時に行われたことを示唆している。

ボルネオゾウは1997年の野生生物保護法(Wildlife Conservation Enactment 1997)で保護されており、殺害した場合は懲役5年の有罪、または罰金約640万円(25万マレーシアリンギット)が科されるが、州政府は今後、刑罰を重くすることも検討しているようだ。

世界自然保護基金(WWF)によると、野生のボルネオゾウの生息数は約1,500頭で絶滅危惧種に指定されている。パーム油の需要増加に伴いアブラヤシ農園開発がブームとなったボルネオ島では、熱帯雨林が減少しボルネオゾウの生息地が脅かされている。ツゥーガ氏は「過去10年で約100頭のボルネオゾウが銃や毒によって殺され、そのほとんどのケースで牙が切り取られている。また近年では、農園を荒らしにやってくるボルネオゾウが報復のために殺されるケースも増加している」と明かしている。

人間に住む場所を奪われたボルネオゾウが好物のヤシを食べに農園に侵入し、大切な農園を荒らされた人間がゾウに憎悪を抱き殺害する。そして牙を切り取り、金に換える。サバ州では、密猟だけが目的ではないゾウの殺害も頻繁に起こっているのが現状なのだ。近年ではサバ州政府やNPOが中心となってアブラヤシ農園とボルネオゾウの共存への模索が始まっていると言われるが、対策のスピードを上げないとボルネオゾウはますます希少になってしまうのではないだろうか。

ちなみに今年7月には、アフリカ南部ボツワナで牙と鼻を切り落とされ、顔が深くえぐられたゾウが発見されていた。密猟者はゾウから手っ取り早く牙を取り出すために毒矢や銃でゾウを倒し、死後硬直が始まる前にまだ生きているゾウの顔をチェーンソーでえぐり取り、鼻を切り離すのだという。

画像は『LADbible 2019年9月30日付「Body Of Endangered Pygmy Elephant Found With 70 Bullet Wounds」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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