【海外発!Breaking News】バーのオーナー 壁のお札約40万円をはがして、スタッフに配る(米)
TechinsightJapan / 2020年4月12日 21時20分
米ジョージア州で経営するバーの閉鎖に追い込まれたオーナーがユニークな方法で一時解雇となったスタッフをサポートし、注目されている。地元に根差し多くの客に愛されてきたこのバーは、客が壁や天井にお札を貼り付けることで知られており、オーナーはそのお札を利用することにしたのだった。『Bored Panda』『WJCL』などが伝えた。
新型コロナウイルスの感染拡大により、先月13日に国家非常事態を宣言したアメリカでは外出が制限され、レストランやバーはテイクアウトやデリバリーのみの営業が許可されている。
ジョージア州チャタム郡タイビー島にあるバー「ザ・サンド・バー(The Sand Bar)」も先月24日に閉鎖に追い込まれ、バーを切り盛りするジェニファー・ノックスさん(Jennifer Knox)は頭を抱えた。
ジェニファーさんがバーのオーナーになったのは今から6年前のことで、それ以前は7年間バーテンダーとして働いた。しかし突然の店の閉鎖で、ジェニファーさんは6人のスタッフを一時解雇せざるを得なくなったのだ。
店を閉鎖して数日後、ジェニファーさんは客の笑い声やミュージシャンのギターの音もしなくなった店内に座っていて、ふとあることに気が付いた。店がオープンしたのは約15年前のことで、店内の壁や天井には客が残していった15年分のお札が所狭しと貼られている。
「店いっぱいにお札があるじゃない! 私たちには時間もある。これを使わない手はない!」
それから3日半かけて、ジェニファーさんはボランティアを申し出た5人のスタッフらと一緒に壁や天井に貼られたお札をはがす作業に専念した。お札には客のサインやメッセージが書かれているもの、ホチキスで束ねられているもの、米ドル以外のものもあり、作業は古くなったお札がボロボロにならないように慎重に行われた。
その後、ジェニファーさんは1週間半をかけてお札を1枚ずつクリーニングし、数える作業を行った。はがしたお札は全部で約40万円(3714ドル)で、さらに店の苦境を知った顧客らが店に寄付をしたお金を含めると、総額約44万5千円(4104ドル)になった。こうしてジェニファーさんは、バーテンダー4人とミュージシャン2人にそれぞれ600ドルずつを手渡すことができた。
ジェニファーさんは店の様子をFacebookに投稿しており、これがメディアの目に留まり拡散している。そしてジェニファーさんの試みには「みんな大変な時。こうやってシェアできるって素晴らしい」「素敵!」「バーがオープンしたら必ず行くよ」「またオープンしたら、お札を貼ればいいことさ」「早く終息するといいね」といった声があがっている。
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