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【海外発!Breaking News】余命僅かな人の“最期の願い”叶えるべく奔放する男性「人を助けることが生きがい」(オランダ)

TechinsightJapan / 2020年4月29日 21時50分

【海外発!Breaking News】余命僅かな人の“最期の願い”叶えるべく奔放する男性「人を助けることが生きがい」(オランダ)

「死ぬ前にもう一度海が見たい」「大好きだった桜の花を見てみたい」「孫の結婚式に出席したい」「サッカーの試合を見たい」―こんな願いを叶える救急車が注目されている。ロックダウン(都市封鎖)中のオランダでも休むことなく走り続ける救急車の話題を『LADbible』『Daily Mail Online』などが伝えた。

ロッテルダム=アルブランツワールト(Rotterdam-Albrandswaard)を拠点に活動するNPO団体「Stichting Ambulance Wens(Ambulance Wish Foundation)」は、2007年4月に元救急車の運転手キース・ヴェルボーさん(Kees Veldboer、60)によって立ち上げられた。団体の目的は「余命短い人々のために救急車で“最期の願い”を叶える」というサービスで、これまでの利用者は14000人を超えている。



団体の運営には270人の医療従事者のボランティアが関わっており、救急車は無料で依頼できる。救急車を運転するのは警察官や消防隊員のボランティアが多く、車内には必ず医療従事者が1人乗り込んで万が一の場合に備えている。



キースさんがこの活動を始めたのは、救急車の運転手をしていた2006年11月、患者のマリオ・ステファヌットさん(Mario Stefanutto)をある病院から他の病院に移送する際、受け入れ側の病院の準備が整わなかったことがきっかけだった。

時間ができたキースさんが「何かしたいことはありますか?」とマリオさんに尋ねると、「自分はクリスマスまでは生きられないだろう。3カ月も過ごした病院へ戻るよりも運河を見たい。船員だった自分が人生の多くを過ごした海を眺めたい。最期にロッテルダム港にさよならが言いたい」という答えが返ってきた。キースさんはそれならと、そのまま運河に救急車を走らせた。

天気にも恵まれ、美しい運河でマリオさんと1時間ほど過ごしたというキースさんは、海を見て嬉し涙を流すマリオさんのことをどうしても忘れることができなかった。そして同僚らの助けを借り、数日後にはマリオさんを担架に乗せてロッテルダム港に向かい、最期のクルーズに連れ出した。マリオさんは「まさか、今の状態で海に出られるわけなどない」と思っていたようで、船でのひと時を心の底から楽しんでいる様子だった。キースさんはマリオさんの笑顔に自分の心が癒されているのを実感した。

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