【海外発!Breaking News】身体の1.5倍の腫瘍を抱え「死産の可能性が高いから中絶を」と言われた赤ちゃんが1歳に(豪)
TechinsightJapan / 2020年8月25日 21時0分
お腹の胎児が大きな腫瘍を抱えていることを知った両親は、医師に中絶を勧められながらも妊娠を継続した。予定日より3か月早く誕生した女児は、腫瘍の摘出手術を受けて7月に1歳を迎え、両親は「ここまで成長したことを心から嬉しく思う」と喜びを露わにした。『Parent Herald』『Mirror』などが伝えている。
オーストラリア北部ダーウィン在住のマットさん(Matt、31)とラナイ・シアーさん(Lenai Schier、32)は昨年5月、妊娠20週の超音波検査で胎児の尾骨付近に大きな腫瘍があることを告げられた。これは約4万人に1人の割合で発生する「仙尾部奇形腫」で、腫瘍は胎児の身体の内側と外側の両方にできていることが確認された。
シアーさん夫妻は、医師から「腫瘍があまりにも大きく、死産の可能性が高い」と中絶を勧められたが、MRIでは腫瘍が臓器に達していないことが明らかになり「この子が産まれて苦しまないのであれば出産したい」と妊娠を継続した。しかし日に日に大きさを増す腫瘍は胎児の臀部に大きく突出し、心臓への負担が増大して貧血の症状が現れた。
ラナイさんは当時の気持ちをこう振り返る。
「あの頃は本当に不安で、怖くて仕方ありませんでした。ネットで病気について調べましたが情報が少なく、同じ病気を経験した母親からのアドバイスが一番の励みになりました。医師らは腫瘍が大きすぎることを心配していましたが、私は赤ちゃんが元気に産まれてきてくれることだけを祈っていました。」
そして2か月後の7月8日、予定日より3か月早く破水したラナイさんは、帝王切開で約992グラムのザリヤちゃん(Zalya)を出産した。数日後にはザリヤちゃんの手術が行われ、出生体重の1.5倍もある約1475グラムの腫瘍が摘出された。手術には大量の輸血が必要で、ザリヤちゃんは心停止を起こし、一時は危険な状態に陥ったもののなんとか持ち直した。
夫妻がザリヤちゃんを初めて抱くことができたのは出生から10日後で、ラナイさんは「初めてザリヤを腕に抱き、夫と2人で泣いたのを覚えています。ザリヤは本当に小さく、愛おしい気持ちでいっぱいになりました」と明かしている。
ザリヤちゃんは生後5か月になって、初めてダーウィンの自宅に戻ることができたという。
ラナイさんはもうすぐ1歳2か月になるザリヤちゃんについて、こんな思いを明かしてくれた。
「幸いなことに腫瘍は良性で、臓器への影響はありませんでした。仙尾部奇形腫は女児の発症が多いそうで、医師は再発を防ぐためザリヤの尾骨を切除しています。今後も定期的な血液検査や診察が必要ですが、ザリヤは2歳の兄と毎日楽しく遊んでいます。まだハイハイや歩くことはできませんが、一度は中絶を勧められたあの子が1歳を迎え、元気に成長してくれたことを心から嬉しく思っています。」
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