【海外発!Breaking News】急速に老化する「プロジェリア」の25歳男性 自ら研究者に「革新的な治療法を見つけたい」(伊)<動画あり>
TechinsightJapan / 2021年5月20日 6時0分
遺伝子の異常により通常の約8~10倍の速さで老化が進行する「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(通称プロジェリア)」を患う男性が『Born Different』のインタビューに応じ、これまでの人生や病気について語った。男性は幼い頃から科学に興味を持ち、現在はプロジェリアの治療薬や遺伝子の研究に打ち込んでいるという。
イタリアのベニス近郊に住むサミー・バッソさん(Sammy Basso、25)は、これまでに世界で確認されているのが179例という「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(通称プロジェリア)」を患っている。
身長138センチ、体重20キロと小柄なサミーさんは、小さな顎や尖った鼻、顔の皺、禿頭、脱毛など典型的なプロジェリアの容貌をしており、関節のこわばりなどの症状にも苦しむ。
サミーさんは普通の人とは外見が違うことについて「物心ついた頃から、自分が人と違うことは認識していました」と明かし、「プロジェリアとして生まれたことで、次第に『自分が人生で何をしたいのか』ということが見えてきたのです」と語る。
そんなサミーさんはイタリアのパドヴァ大学で自然科学を専攻し、分子生物学について学ぶとそのまま大学院へと進学。プロジェリアをテーマにした卒論を書いて修士課程を修了した。
現在、分子生物学者として研究を続けるサミーさんは数年前、プロジェリアの情報提供や科学的研究をサポートする非営利団体「プロジェリア・サミー・バッソ (Progeria Sammy Basso)」イタリア協会を立ち上げており、「自分なりのやり方で世界を変えたい」と夢を語る。
サミーさんは「私たちはプロジェリアについて理論的には理解していますが、医学的に解明はされていない。たとえば私は数種類の薬を飲んでいますが、その中の1つは昨年11月に米国食品医薬品局(FDA)に医薬品として承認されたものです。これは老化を遅らせる薬としては初めてのことですが、私はプロジェリアの革新的な治療法を見つけたいのです」と明かし、このように続けた。
「私は2歳でプロジェリアと診断され、寿命は13歳だと言われました。この病気のために長時間歩いたり、走ったりジャンプすることはできませんし、心疾患や血管障害もあります。でも決してマイナスの面ばかりでなく、プロジェリアであったからこそ経験できたこともたくさんありました。」
実はサミーさんは2015年にアメリカを旅行し、その体験を本にまとめている。またイタリア政府とコラボして研究を行ったり、プロジェリアについてより多くの人に知ってもらうための講演や募金活動もしている。そしてプライベートでは地元のランニングクラブに属し、「いずれはミラノマラソンに参加したい」と笑う。
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