【海外発!Breaking News】イエメンの漁師、クジラの死骸から約1億6500万円の「龍涎香」発見で生活が一変<動画あり>
TechinsightJapan / 2021年6月3日 6時0分
イエメンの貧しい港町に暮らす漁師らが2月中旬、アデン湾を漂流していたマッコウクジラの死骸から希少な「龍涎香(りゅうぜんこう)」を発見した。“海に浮かぶ金塊”と呼ばれるその石の価値は約1億6500万円(約150万ドル)にも及び、漁師らは一夜にして大金持ちになった。漁師のインタビューを交えて『BBC』『Mirror』などが伝えている。
イエメン南部で2月13日、アデン湾に漂流していたマッコウクジラの死骸から“アンバーグリス”と呼ばれる「龍涎香」が発見された。死骸の引き上げにあたったのは37人(一部報道では35人とも)の漁師たちで、その日の朝に近隣のセエラ(Seriah)という町に住む漁師から「30キロ沖のところでマッコウクジラを見つけた。もしかしたら龍涎香があるかもしれない」と連絡を受けたという。
海に向かった漁師の1人は「死骸に近づくにつれて、強烈な臭いが鼻を突き、きっとこれは何かあるに違いないと思った」と当時を振り返り、最終的には9つのボートの協力を仰ぎ、総勢100人以上が岸までの牽引や引き上げに関わったことを明かした。
こうして腹部からは、約127キロの「龍涎香」が見つかり、アラブ首長国連邦の貿易商が1キロ約131万円(45000サウジアラビア・リヤル)、計約1億6500万円(約150万ドル)で買い取ったという。
国際連合(UN)によると、内戦が始まって6年になるイエメンでは人口の80%がなんらかの食糧援助を必要としている状態で、『The National』ではイエメンの平均年収は約8万7000円(800ドル)と報じている。
そんななか37人は利益を均等に分け、龍涎香の保管中に雇った警備員をはじめ引き上げに協力した人々や貧しい村民にもお金を分け与えた。この発見で彼らの生活は一変したそうで、家や車、ボートなどを購入。大金を手に入れた男性は「本当に臭くてたまらなかったけど、これはお宝。僕らに金をもたらしたんだ」と喜びを口にしている。
専門家によると「龍涎香」が生成されるのはマッコウクジラの腸内だけで、それも全体の1~5%のみと希少だという。マッコウクジラは固いイカのクチバシ(顎板)などが消化管をスムーズに通過できるよう、ネバネバした分泌液で包み込むそうで、これが腸内で固まった結石が龍涎香になる。
龍涎香は通常、海面に浮かび上がって漂流し長く漂流すると独特の香りを放つことから、シャネル N°5など有名ブランドの香水の原材料としても広く用いられている。また香りを持続させることから高く取引され、過去には薬、お香、精力剤などとしても使われていたという。
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