【海外発!Breaking News】10年間ペンギンを天敵から守り続けた牧羊犬が亡くなる 市が記念式典開催へ(豪)
TechinsightJapan / 2021年6月5日 17時10分
豪ビクトリア州ウォーナンブールに近い小さな島ミドル・アイランドにて、10年にわたってペンギンたちを天敵である狐から守り続けた牧羊犬“ユーディ(Eudy)”の死を『ABC』『LADbible』などが伝えた。街のアイコンでもあったユーディを偲び、市は公式記念式典の開催を予定しているという。
10年間の任務の末、昨年に惜しまれながらも引退していた牧羊犬“ユーディ”の死が6月1日、『ミドル・アイランド・ペンギン・プロジェクト』の公式Twitterで伝えられた。
ミドル・アイランドに棲む世界最小のペンギン“コガタペンギン”は、天敵である狐の襲来によってその数を激減させ、2005年には生息数10匹以下と絶滅の危機に追い込まれていた。
そんな状況を見かねた地元の酪農家の発案で、市議会は2006年にイタリア産牧羊犬であるマレンマ・シープドッグを島に試験的に投入した。これが功を奏し、初代牧羊犬“オッドボール(Oddball)”の活躍によりペンギンの個体数は徐々に増え、『ミドル・アイランド・ペンギン・プロジェクト』が始動したのだった。
2010年に前任犬より任務を引き継いだユーディとその姉トゥーラ(Tula)の2頭は、10年にわたって捕食者から島のペンギンやその群れを守り抜いたのち、惜しまれつつも昨年の夏に引退した。
同プロジェクトの担当者トリッシュ・ コルベットさん(Trish Corbett)は「このプロジェクトはユーディがいなければ成り立たなかったことでしょう」と述べ、以下のように話した。
「ユーディがいなければ、保護すべきペンギンの群れ自体が今頃はなかったことでしょう。ユーディとトゥーラこそがこのプロジェクトの中心的存在であり、真のヒーローなのです。」
「休暇を終えて島に戻ってきたユーディの喜びようは、いつ見ても素敵なものでした。」
「ユーディの美しい笑顔は、島にいる時に一番輝いていました。」
引退後は後進の牧羊犬育成を行う牧場にて、トゥーラとともに余生を楽しんでいたユーディだったが、前足にできた骨肉腫に侵された末に1日、静かに息を引き取った。ユーディを看取ったトリッシュさんは、その穏やかな最期の様子をこのように明かしている。
「ユーディは最後の数日間を愛する人たちと共に私の家で過ごしました。ローストチキンをお腹いっぱい食べ、涼しい風に吹かれながら永遠の眠りにつきました。」
ユーディの遺灰はその後、ミドル・アイランド島に散布される予定という。
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