【海外発!Breaking News】肥満改善のために開発された減量デバイス 「まるで拷問器具」と批判の声(ニュージーランド)
TechinsightJapan / 2021年7月4日 5時0分
「食べる口があるからいけない」―そんな発想から生まれたのではないかと思う減量デバイスが、ニュージーランドで開発された。歯に装着することで口を約2ミリまでしか開けられないように制限し、一定期間を流動食のみで生活するというものだ。会話や呼吸を制限することもなく「画期的なデバイス」と開発者は太鼓判を捺しているが、人々からは「こんなの拷問器具と同じ」と批判の声が相次いでいる。『NZ Herald』などが伝えた。
6月25日、学術誌『ネイチャー(Nature)』に“デンタルスリム・ダイエットコントロール(DentalSlim Diet Control)”と名付けられたダイエット器具の詳細が掲載された。
「世界的な肥満問題を解決するために開発された、世界初の減量デバイス」と銘打ったこの器具は、上下の奥歯に装着する仕様になっている。磁石と特注のボルトを組み合わせた複雑な構造により、口を約2ミリしか開かないように制限するという。
口が開かないので固形物を食べることができず、装着した人は飲み物や流動食しか口にできなくなる。食事内容は制限されるものの、このデバイスによって会話や呼吸が制限されることはないという。
開発者の1人であるニュージーランドのオタゴ大学健康科学部副学部長代理のポール・ブラントンさん(Paul Brunton)は「このデバイスは非侵襲的で繰り返し脱着が可能であり、なおかつ経済的でもあるので外科的な手術に代わる魅力的な方法だと思います」と胸を張る。
このデバイスを用いて、ニュージーランド南島オタゴ地方のダニーデン市で減量実験が行われた。参加した被験者は2週間で平均6.36キロの減量に成功し、被験者からは「減量のモチベーションを維持できる」というコメントもあったと公表されている。
基本的には歯科医が器具の脱着を行うが、緊急時には使用者自身が取り外すことも可能だという。実験期間中は取り外し専用の器具を被験者に渡していたが、それを使って外した人は誰一人いなかったそうだ。
ポールさんの発言や実験結果はポジティブなものに感じるが、実際に装着した人からは「不快感があり声を出すことができず、満足した生活を送れない」という声があがっていることを『Mirror』が報じている。
また同大学がこのデバイスをTwitterで公表すると、「こんなものを開発したことが恐ろしい」「気味が悪いよ」「これって拷問器具と同じだよね?」「最初で最後の開発であってほしい」「この研究チームは今すぐ解散して」など多くの批判の声が集まった。
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