1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

【海外発!Breaking News】皮膚の痛みと蠢く感触、南米旅行後の女性が寄生虫に感染(米)

TechinsightJapan / 2021年8月16日 5時0分

【海外発!Breaking News】皮膚の痛みと蠢く感触、南米旅行後の女性が寄生虫に感染(米)

米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』に今月12日、寄生虫に感染したアメリカの62歳女性の症例が発表され、『7NEWS』などが伝えて注目されている。

アメリカに住む62歳の女性は最近、皮膚に刺すような痛みを感じて地元の皮膚科を訪ねた。女性は背中や臀部6か所に虫刺されに似た赤い小さな隆起が生じており、医師は細菌感染症の薬を処方したが全く効果がなかった。

しかしながら女性の再訪を受けた医師は、女性が南米コロンビアに旅行して帰国したばかりであること、現地で蚊に刺されていたことを知り、「皮膚蝿蛆症」を発症していることを確信した。

実は中南米にはヒトヒフバエという大型のハエが生息し、蚊の体に小さな卵を産み付ける。そしてその蚊が人間を刺すことで卵が皮膚に付着し、孵化した幼虫が刺し傷などから皮膚下に寄生する。幼虫は体長1~2センチで、3か月ほど寄生すると自然に排出されるが痛みや痒みを伴う。

医師は幼虫が寄生する女性の皮膚が異物を排除しようと浸出液を出していること、炎症を起こし赤く腫れ上がった患部で幼虫が動いていることを確認し、皮膚下で育っている寄生虫を摘出することにした。

こうして医師は麻酔下で患部を切開し、幼虫6匹を摘出した。女性は手術から1週間後には症状が70%ほど改善され、順調に回復しているという。



なおヒトヒフバエの幼虫は大気中の酸素を必要とするため、寄生する皮膚には呼吸のための開口部が存在する。中南米の人々が幼虫を駆除する時はワセリンやマニキュア液、ベーコンなどを使ってこの開口部を閉塞し、幼虫を窒息させてピンセットなどでつまみ出すことが多いそうだ。

ちなみにポーランド出身で米ハーバード大学で活躍する昆虫学者ピオトル・ナスクレンスキー氏(Piotr Naskrecki)は2014年、中米ベリーズの熱帯雨林でカエルの写真を撮っていた時に蚊に刺され、皮膚蝿蛆症を発症した。驚くことにピオトル氏は、1週間後に生き残った幼虫3匹のうち特に患部の痛みが激しかった1匹は摘出したものの、残りの2匹はそのまま寄生させて観察を続けたそうだ。ただし幼虫が這い出して来るまでには10週間を要したという。

画像2、3枚目は『7NEWS 2021年8月14日付「Woman’s ‘mosquito bites’ turn out to be parasite larvae burrowed into back」(Credit: New England Journal of Medicine)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください