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【海外発!Breaking News】900万円以上を受取り空っぽの枠だけを送ったアーティスト 「お金を持ち去ったことが今回の作品」と主張(デンマーク)

TechinsightJapan / 2021年10月5日 12時56分

【海外発!Breaking News】900万円以上を受取り空っぽの枠だけを送ったアーティスト 「お金を持ち去ったことが今回の作品」と主張(デンマーク)

デンマークの美術館があるアーティストに紙幣を用いた作品制作を依頼し、作品に使用するためとして約925万円分の紙幣を先に渡していた。ところが展示予定の2日前にアーティストから送られてきたのは、作品の入っていない空の枠組みだけだった。タイトルには「お金を取って逃げる」と書かれており、アーティストはこの行動自体がアートであると主張している。美術館側はアーティストに対し、返金を要求していると『The Guardian』などが伝えた。

デンマーク北部オールボーにある近代美術館「Kunsten Museum of Modern Art Aalborg」は、「権力と不平等」をテーマにしてアーティスト活動を行うイェンス・ハーニングさん(Jens Haaning、56)に次回の展覧会に向けて作品の制作を依頼した。

依頼内容は、過去に紙幣を使って平均所得を表現した作品を新たに2つ制作するというものだった。イェンスさんは2007年、デンマークの通貨であるクローネ紙幣を額縁に入れて固定し「デンマークの平均的な年収(An Average Danish Annual Income)」という作品を発表していた。また2011年には、ユーロ紙幣を使用してオーストリアの収入をテーマにした作品を制作している。

今回もこれらと似た作品が期待されていたようで、同美術館は作品に使うためのお金として534000クローネ(約925万円)に加え、依頼料として25000クローネ(約43万円)をイェンスさんに渡していた。

同じテーマでも、時代が変われば作品の姿も違う形になってくるはずだ。イェンスさんから届いた完成品を美術館スタッフは期待を胸に開封した。ところが箱の中には作品を入れるためのフレームが2つ入っており、作品と思われるものは何も入っていなかった。そして空のフレームには、「お金を取って逃げる(Take the Money and Run)」とタイトルが付いていた。

美術館側は作品に使うための紙幣をイェンスさんに渡したにもかかわらず、それらは作品に全く使われていなかったのだ。同美術館は、展覧会が終了する来年1月16日までに返金するという契約をイェンスさんとの間で結んだという。

館長のラッセ・アンダーソンさん(Lasse Andersson)は「展覧会の2日前に、イェンスさんから作品を送ったというメールが届きました。私たちはお金のある美術館ではないので、資金をどのように使うのか慎重に考えなければならず、支払い可能な範囲を超えて使うことはできません」と苦しい財政状況を明かし、イェンスさんの行動に苦言を呈した。

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