【海外発!Breaking News】激しいけいれん発作や意味不明の言葉 38歳男性、脳に20年間も寄生虫(米)
TechinsightJapan / 2021年11月14日 5時0分
これまで病気ひとつしたことがなかった38歳の男性の脳から、寄生虫が発見された。感染したのは20年前とみられており、脳には増殖した幼虫が嚢胞を形成していたという。『Ars Technica』などが伝えている。
米マサチューセッツ州ボストンに住む38歳の男性が早朝4時、けいれんを伴う激しい発作に見舞われた。男性はベッドから転がり落ちると意味不明の言葉を話し始め、妻が異常に気付いてマサチューセッツ総合病院に緊急搬送された。
病院に到着した男性は全身が硬くつっぱり、激しいけいれん発作が2分続いて意識を消失、医師は家族から話を聞き様々な検査を行ったものの発作の原因が掴めずにいた。男性は心臓、呼吸器、消化管、泌尿生殖器、神経のいずれにも異常はなく、タバコはやらず飲酒もほとんどしなかった。
そんななか医師は、男性が約20年前まで中米グアテマラの農村地域に住んでいたことを知り、有鉤条虫(サナダムシの一種)の感染を疑った。これはアジア、アフリカ、ラテンアメリカなどでみられ、生や加熱不足の豚肉を食べることによって感染し、腸の中で成虫になると血流に乗って体の様々な場所に寄生する。卵が付いた食品や水、土壌に接触することでも感染し、酷い場合は失明したり死亡することもあるという。
頭部のCT検査で医師は、男性の脳に3つの石灰化病変を発見、「神経囊虫症」と診断した。病変は幼虫の集団が保護壁に閉じ込められた嚢胞とみられ、嚢胞が変性し幼虫が死ぬと脳に炎症と腫れが起こり、けいれん発作や精神機能障害などを起こすという。
なおこの男性のケースは今月11日付の医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に公開されている。
ちなみに2019年には中国で、加熱不十分の豚肉を食べた43歳の男性の脳や肺などから700超の寄生虫が見つかっている。男性は1か月ほど頭痛やけいれん発作の症状があったという。
画像は『BMC blog network 2016年12月1日付「HIV and pork tapeworm: Does one disease affect the other?」(Pixabay)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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