【海外発!Breaking News】“メビウス症候群”で笑顔になれない女性 辛い学校生活を経て「笑えないのは最高の贈り物」と強く生きる(ニュージーランド)
TechinsightJapan / 2022年1月5日 21時0分
先天性の神経障害である“メビウス症候群”は、顔面の神経麻痺により目や眉毛、唇を動かせないために笑うことができない。この疾患を持って生まれたニュージーランド出身の女性は、常に口角の下がった表情のせいで酷いいじめを受けてきた。だが何度も挫けながらも必死に生き抜いてきた女性は、パラリンピック陸上競技に出会い人生が好転したという。「笑えないのは最高の贈り物」と強く生きる女性の姿を、『New York Post』などが伝えている。
日本では難病指定されているメビウス症候群は先天性の神経障害であり、日本国内での患者数は約1000人という原因不明の珍しい難病だ。
ニュージーランド出身のタイラ・クレメントさん(Tayla Clement、24)はこの難病を抱えて生まれてきた1人で、顔の神経障害のせいで目や眉毛、さらには上唇を動かせないので笑顔を作ることができない。
メビウス症候群の根本的な治療法は確立していないが、タイラさんは12歳の頃に対症療法として“スマイル手術(smile operation)”を受けた。自然に笑えるように大腿部の軟組織を顔に移植するものだったが、上手くいかずタイラさんの顔には腫れと痣が残ってしまった。
この手術のあとに新しい学校へ入学したが、クラスメイトたちはタイラさんの顔を見ていじめを始めた。タイラさんは当時のことを「みんな私の顔を見て笑っていました。怖がって叫び出す子もいましたが、走って逃げる時には笑っていましたね。あの時は超孤独でした」と明かした。
12歳の子どもたちは残酷で、いじめはこのようなからかいだけでは終わらなかった。タイラさんは「羊の糞を投げつけられたり、下り坂で走らされることもありました。カバンの中身を床に出されることもあり、数え出したらキリがありません」と辛い当時を振り返っている。
タイラさんに酷い仕打ちをしていた子どもたちだったが、教師も例外ではなかった。授業中にタイラさんだけが手を挙げているのに、教師は見て見ぬふりをしたという。生徒に質問する時も、タイラさんに指名することはなかったという。
「学校で起きた全てのことが、私の自信や自尊心に大きな影響を与えました」と話すタイラさんだが、両親に心配かけたくないという思いから家ではいじめについて話すことはなかったそうだ。時間が経ってもいじめが終わることはなく、タイラさんは自殺願望を抱えるようになってしまった。
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