【海外発!Breaking News】患者の脳から摘出された寄生虫、生きた状態での発見に担当医も驚愕(豪)
TechinsightJapan / 2023年9月1日 5時0分
![【海外発!Breaking News】患者の脳から摘出された寄生虫、生きた状態での発見に担当医も驚愕(豪)](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/japantechinsight/japantechinsight_989069_0-small.jpg)
オーストラリアの病院で2022年6月、患者の脳から生きた寄生虫が摘出された。患者は2021年頃から腹痛などの症状に悩まされており、MRI検査で脳に病変が確認され、手術を行ったところ寄生虫が見つかった。摘出された寄生虫は通常ニシキヘビに寄生しているものと判明し、ヒトに寄生した世界で初めての症例であるという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
豪ニューサウスウェールズ州南東部在住の64歳女性は2021年1月下旬、腹痛や下痢症状があったことから地元の病院を訪れた。女性は肺炎や下痢、空咳、発熱、異常な寝汗など多くの症状に苦しみ、しばらく治療のために通っていたそうだ。しかし2022年になると、うつ病や物忘れの症状が確認されたため、首都キャンベラにある病院を紹介された。
女性はそこで受けた脳のMRI検査で右前頭葉に13×10ミリの病変が見つかり、2022年6月に切開生検を行った外科チームは女性の脳に寄生虫を発見した。さらに驚くべきことに、摘出した寄生虫はウネウネと動いており、女性の脳の中で生きていたことが判明した。
予想外の事態に外科チームも驚いたそうで、この寄生虫の種類を特定するため、同病院の感染症を専門とするサンジャヤ・セナナヤケ医師(Sanjaya Senanayake)に応援を依頼した。サンジャヤ医師は「脳神経外科医も、まさかうごめく虫が出てくるとは思わなかったでしょうね。脳神経外科医は定期的に脳内の感染症に携わることがありますが、今回の発見はそのキャリアの中でも1回見つかるかどうかの珍しいケースです」と当時の驚きを振り返っている。
寄生虫の摘出により病院内でチームが発足し、今後の治療を検討するため、体長3インチ(約7.62センチ)、全身が赤いなどの特徴を持つこの寄生虫の正体を調べ始めた。このチームの一員だったサンジャヤ医師は「私たちは教科書を持ち出し、神経的侵襲や病気を引き起こす可能性のある回虫の種類をすべて調べました」とできる限りのことをしたと話す。しかしなかなか答えに辿り着かず、外部の専門家に助けを求めた。
オーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)の寄生虫に詳しい研究者のもとへ、生きたままの摘出した寄生虫を送ると、その正体は“オピダスカリス・ロベルティ(Ophidascaris robertsi)”だと分かった。
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