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小中高生の視力低下続く 裸眼視力「1.0未満」過去最多

J-CASTトレンド / 2024年5月2日 12時0分

スマホの長時間利用、視力と学力に影響が

子供の視力低下が止まらない。文部科学省の調べだと、裸眼視力が「1.0未満」の小中高生の割合は過去最多だという。スマホやタブレット端末の利用が長時間になっていることが原因、と言われている。

新学期――親も学校も子供自身も、今一度、視力低下の防止を心掛けたほうがよさそうだ。

学年が上がるほど増加

文科省は、1948年度から毎年、子供たちの視力などの健康状態調査を続けている。最新の調査結果は2023年秋に公表されている。

それによると、裸眼視力が1.0未満の割合は、小学生が37.88%(前年度36.87%)、中学生61.23%(同60.66%)、高校生71.56%(同70.81%)。いずれも過去最高だった。20年前に比べると、小中高とも大幅に増えている。

今回の調査によると、1.0未満の割合は、小1が23.20%、小6は53.19%。中1は55.64%、中3が65.65%。学年が上がるごとに増加している。

また、メガネやコンタクトにより視力矯正が必要な「裸眼視力0.3未満」の割合は、幼稚園0.97%、小学生11.99%、中学生28.26%、高校生42.11%となっている。こちらも学年が上がるほど増加、メガネやコンタクトの装着率は、中3では男子が約4割、女子が約5割に達しているという。

ネットを長時間利用

原因として指摘されているのは、スマホやタブレットの長時間使用だ。

内閣の「青少年インターネット利用環境調査」(2022年度)によると、満10歳から満17歳の子供たちのインターネットの平均利用時間は、約4時間41分。前年度から12~17分増加した。高校生は、約5時間45分。中学生は、約4時間37分。小学生(10歳以上)は、約3時間34分。年齢と共に、利用時間も増加傾向にある。

使用目的別では、ゲームや動画の視聴など「娯楽」で使われる時間の多さが際立っている。長時間の画面凝視が目に悪い影響を与えている、とみられている。

日経新聞の取材に、日本眼科医会の柏井真理子常任理事は、「成長期に近くのものを見続けると角膜から網膜までの『眼軸』の長さが伸びて近視になる」と説明している。 

成績低下や依存症

スマホの長時間利用することによる悪影響は、視力低下だけにとどまらない。

「脳トレ」で有名な脳科学者、川島隆太さんの『スマホが学力を破壊する』 (集英社新書)によると、スマホを1時間以上使うと、使った時間の長さに応じて成績が低下していることが分かった。これは、川島さんらが仙台市立の小中学校生約7万人を5年間追跡調査した分析だ。

同書では、ビル・ゲイツもスティ-ブ・ジョブズも、自分の子供にはスマホをはじめとするデジタル機器を持たせていないという話が紹介されている。

『スマホ依存から脳を守る』(朝日新書)によると、2019年、世界保健機関(WHO)は、スマホなどのゲームにのめり込んで日常生活に支障をきたすゲーム依存症が、「ゲーム障害」という疾患だと認めた。著者の中山秀紀さんは、アルコール依存症治療の専門家。インターネット依存症やゲーム依存症に警鐘を鳴らしている。

スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセンさんの『スマホ脳』(新潮社)も、スマホが脳に与える影響を分析し、各国でベストセラーになっている。

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