1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

雇用権利法案を発表、労働者の権利を強化(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月18日 0時5分

英国政府は10月10日、労働者の権利を強化する雇用権利法案を発表した(提出された法案は英国議会ウェブサイト参照)。

今回提出された法案には、28の改革案が含まれており、主な内容は次のとおり。

搾取的なゼロ時間契約を廃止し、一定の期間、規則的な時間で働く労働者については、希望すれば定められた労働時間とそれに伴う収入が保証される「保証時間契約」の権利を付与する。なお、ゼロ時間労働契約を希望することも可能。
雇用開始から26週間後に付与されていた父親の育児休暇の権利を雇用初日から付与。また、これまでは職場に少なくとも2年間勤務していることが条件だった不公正解雇から保護される権利も初日から付与する。さらに、政府は新規雇用に対する法的な試用期間の導入について意見公募を行うとしている。
疾病手当につき、従来の4日目以降でなく休暇初日から受けとる権利を付与。
雇用主は従業員からの要請に対し、それが不合理であると証明できない限りは柔軟な働き方をデフォルトとする。
大企業に対しては男女間の賃金格差の解消と、更年期を迎える従業員の支援策について行動計画を策定することを義務付ける。
妊婦および産休から職場に復帰した労働者に対する保護を強化する。
既存の執行機関をまとめ、労働者の権利の執行や雇用主のコンプライアンス支援を行う機関として「公正労働庁」を設立する。

政府はこれらの項目に関し、本法案の成立後に2次立法や規範(code)のかたちで詳細を規定するとしている。2025年中に意見公募を行い、多くの項目について2026年以降の発効を見込むとしている。不公正解雇に関する改革については2026年秋以降の発効を見込むとした。

なお、政府は同日、将来の雇用法に関する改革概要を述べた政策文書「ネクストステップ」も発表した。同文書では、勤務時間外の業務連絡を防ぐ「スイッチオフの権利」や、大企業に対する人種および障がいに基づく賃金差の報告義務付けなどが盛り込まれている。

(松丸晴香)

(英国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください