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11月の米地区連銀報告、全体概況をわずかに上方修正、先行き期待感高まるも収益・雇用などで慎重な見方(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月6日 10時40分

米国連邦準備制度理事会(FRB)は12月4日、11月の地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。10月12日~11月22日のデータに基づく。全体概況は、「9月初旬以降、ほぼ全ての地区でわずかに成長」し、2地区での「横ばいからわずかな減速」を3地区での「控え目から緩やかの間で成長」が相殺したとし、前回報告からわずかに上方修正された。先行きは、「ほとんどの地域やセクターで成長への期待が高まった」とした。

分野別では、消費は「おおむね横ばいで推移している」としたほか、「消費者の価格や品質に対する感度がさらに高まった」と指摘し、値下げ圧力がさらに強まっているとの見解を示した。住宅市場は、「住宅ローンの需要は全体的に低調」とした。なお、金利の変動(2024年12月3日記事参照)に伴う住宅ローン需要の変化は地域によってまちまちだったようだ。また、こうした住み替えの抑制に伴って家具需要も減少していると報告された。

企業部門では、先行きについて「今後数カ月で需要が増加すると楽観的に見ている」と報告された一方、足元では「設備投資と原材料の購入は、ほとんどの地区で横ばいまたは減少」と報告された。

労働市場に関しては、「雇用者数が全地区で横ばいまたはわずかに増加」とし、前回報告からわずかに下方修正された。また、(1)採用活動は低調で、従業員数を増やしたと報告した企業はほとんどなく、離職率、解雇水準いずれも低い、(2)賃金の伸びはほとんどの地区で控え目なペースにまで鈍化などと報告しており、労働市場の緩やかな減速という方向性が継続していることが示唆されている。また、先行きについても、「今後1年間は雇用が横ばいまたはわずかに上昇」に留まるとしたほか、「雇用の回復については慎重な見方が多い」、「賃金の伸びは今後数カ月間も同様に鈍化」など現在の減速傾向が継続するとの見方を示した。

物価については、「インフレは全ての地区にわたり控え目なペースにとどまった」とした。また、BtoB、BtoCを問わず、企業が顧客にコストを転嫁することが難しくなってきており、投入コストが販売価格よりも速く上昇しているため、利益率が低下していると報告されている。これまでも消費者への価格転嫁の難しさが指摘されてきたが、こうした傾向がBtoB企業にまで拡大していることが示唆された。投入コストの中では、保険料の上昇が多くの企業にとって著しいコスト圧力になっていると指摘した。また、先行きについては、現在のインフレペースが続くものの、いくつかの地域は関税引き上げによるインフレの大幅上昇リスクがあると指摘した。

(加藤翔一)

(米国)

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