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米シンクタンク、経済成長に適した全米各州の税制ランキング発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月1日 10時20分

米国シンクタンクのタックス・ファウンデーションは10月30日、全米各州の税制を相対評価した「2025年州税競争力指数」を発表した。同指数は、150以上の変数を用いて各州の税制を比較し、経済成長に最も適した税制を評価する。評価結果を基に、総合州別ランキングのほか、5つの税(法人税、個人所得税、売上・使用・物品税、財産税、失業保険税)の州別ランキングを算出している。

同指数の上位10州は、順位が高い順に、ワイオミング、サウスダコタ、アラスカ、フロリダ、モンタナ、ニューハンプシャー、テキサス、テネシー、ノースダコタ、インディアナで、いずれも共和党所属知事の州だった。下位10州は、順位が低い順に、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニア、コネティカット、メリーランド、ワシントン、ミネソタ、バーモント、ハワイ、マサチューセッツで、バーモント州を除いていずれも民主党所属知事の州だった(注)。

最上位の西部ワイオミング州は、同州の地理的特性により、同州主要産業の鉱業に対する生産税(severance tax)とパイプライン固定資産税(pipeline property tax)に支えられていると指摘し、これに伴って法人税、個人所得税が課されていないことを評価した。最下位の東部ニューヨーク州は、税率が高く負担が大きい上に、不公正な税制を採用していると指摘した。具体的には、同州に非居住の個人に対しても、同州に本社を置く企業に雇用されている場合は、同州の個人所得税の支払いを義務付けていることを挙げ、同州に本社を置く企業に雇用されているリモートの従業員にとっては、二重課税の問題が生じることになるなどと指摘した。一方で、ニューヨーク市では税制以外の部分で個人を引きつけ、引きとどめるだけの魅力があるとも評価した。

なお、タックス・ファウンデーションは同指数について、あくまで税制を評価するもので、高学歴の労働力や生活の質、市場への近接性、気候環境など、企業が関心を寄せるそのほかの要素を評価するものではないと説明している。

各州政府が州内の事業活動に関する雇用法や税法などを独自に制定していることから、活動拠点州の選択は米国進出や拠点拡大に当たって重要な検討事項の1つとなる。ジェトロでは、米国進出や拠点拡大を志向する日本・日系企業に向けて、米国12都市の税金、賃金、地価・賃料、公共料金などを比較可能なデータセットを提供している。また、各州政府からの投資環境の説明やメッセージをまとめたポータルサイトのほか、工場設立や研究開発拠点の設立の立地選定支援サービスを提供している。

(注)米国シンクタンクのケイトー研究所は10月15日に、全米各州の税制と歳出を評価したランキングを発表した。同ランキングでも、上位6州はいずれも共和党所属知事の州、下位6州はいずれも民主党所属知事の州だった(2024年10月18日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国)

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