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政府、2022年5月以来の最低賃金引き上げに向け調整開始(ペルー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月31日 13時50分

ペルー政府は法定最低賃金を2024年内に引き上げるための調整に入った。ディナ・ボルアルテ大統領は独立記念日の7月28日に行った所信表明演説(2024年7月29日記事参照)で、2024年第4四半期(10~12月)までに引き上げを実施する意向を示していた。

現在の最低賃金は月額1,025ヌエボ・ソル(約4万2,025円、1ヌエボ・ソル=約41円)で、2022年5月から据え置かれている。焦点となる引き上げ額や時期については、政府が全国労働・雇用促進協議会(CNT)の場で労使双方の関係者の意見を聴取した上で検討する。リマ商工会議所のロベルト・デ・ラ・トレ会頭は7月30日に地元紙が行ったポッドキャスト配信で、8月第2週にCNTから招集がかかったことを明らかにした。

最低賃金の引き上げを労働組合関係者は歓迎する一方、慎重に検討すべきという見方もある。元財務相でペルーの経済発展を支援する非営利団体ビデンサ・インスティテュートの事務局長を務めるルイス・カスティージャ氏は「最低賃金引き上げで恩恵を受けるのは、いわゆる正規部門で、その中で最低賃金を収入として得ている35万人程度にすぎない。各種保険への加入や納税を行っていないインフォーマルな部門に属する多くの労働者にはメリットがないことから、賃金引き上げはペルー経済が完全に回復してからでも遅くはない」と話す。ILOの調査によると、2023年のペルーの労働者のうちインフォーマル部門に属するのは全体の71.6%と発表されている。

(石田達也)

(ペルー)

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