独立記念式典、新首都ヌサンタラとジャカルタで同時開催（インドネシア）

インドネシアの独立79周年にかかる記念式典が8月17日、東カリマンタン州で建設が進む新首都「ヌサンタラ」とジャカルタの2都市で同時開催された。ヌサンタラでの独立記念式典開催は初めてで、現職のジョコ・ウィドド大統領と次期大統領のプラボウォ・スビアント国防相ら一部閣僚や政財界の要人ら約1,300人が出席した。ジャカルタではマアルフ・アミン副大統領、次期副大統領のギブラン・ラカブミン氏らが出席した。

ジョコ大統領は式典終了後、「インドネシアは大国であり、東部、中央部、西部すべての地域が公平に発展することが重要だ」と述べ、新首都ヌサンタラの存在は、ジャワ中心主義から脱却しインドネシア国内の公正な開発を進める際の原動力となると強調した（8月12日付内閣官房プレスリリース）。

新首都への移転は、ジャワ島とジャワ島外の格差是正や、ジャカルタへの経済機能の集中がもたらす交通渋滞や大気汚染などの都市問題の解決を目的に、ジョコ大統領が2019年8月に表明したものだ（2019年9月3日記事参照）。その後、新型コロナウイルスの感染状況悪化により法整備が遅れたものの、2022年に新首都に関する法律第3号が公布・施行（2023年10月に改正）され、新首都の名称が「ヌサンタラ」（「インドネシア群島」を意味する単語）と定められた（2022年2月28日記事参照）。建設工事は2022年に開始され、2023年半ばからは地場民間企業による開発も本格化している。2024年8月12日にはヌサンタラで初の閣議が開催されるなど、徐々に政府機能の移転が進められる予定だ（2024年8月16日記事参照）。ジャカルタからの正式な首都移転の日程は、今後、大統領が発する大統領令によって発表される。

（八木沼洋文）

（インドネシア）