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米商務省、CHIPSプラス法に基づき、米パッケージング最大手アムコーへ4億ドルの助成を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月29日 11時30分

米国商務省は7月26日、米国を拠点とする最大の半導体組み立て・テスト(OSAT)企業であるアムコー・テクノロジーに対して、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、最大4億ドルを助成する予備的覚書(PMT)に署名したと発表した。助成対象は、アリゾナ州ピオリア市での先端パッケージング・テスト施設の建設。同社は2023年11月に、20億ドルを投資し約2,000人を雇用予定だと発表していた(2023年12月6日記事参照)。

商務省の発表によると、アムコーの新施設では本格稼働後、自動運転車両、5G/6Gスマートフォン、大規模データセンターなど向けの数百万個の先端半導体に対し、パッケージングとテストを行う予定となっている。同社が有する2.5次元(D)パッケージング技術は、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)や人工知能(AI)向けの半導体製造における最終工程で利用されており、AIや高性能コンピューティング・アプリケーションの基盤になっているという。

商務省は今回の助成によって、米国内で信頼性の高い先端パッケージング・エコシステムを構築し、AI向け半導体の需要拡大に対応することで、米国の経済と国家安全保障の強化を支援する、とその意義を強調した。また、TSMC(台湾積体電路製造)、アップル、グローバルファウンドリーズなど(注)、世界の最先端技術を支える企業は、半導体製造プロセスの全工程を米国内で行えるようになる、とも述べた。商務省のジーナ・レモンド長官は発表で、「アリゾナでパッケージングされる最先端チップは、今後数十年にわたり世界の経済と国家安全保障を決定づける未来の技術の基盤となる」と述べた。

後工程に分類されるパッケージングは個々で形が違い、その都度、装置の設定を変えることが必要とされているため、生産工場は人件費が安い国に集中しており、生産コストが高い米国では採算がとれないとされている。そのため、米国内でパッケージングを行うためには、生産を極力自動化した「先端パッケージング」が必要といわれている。今回のアムコーへの助成発表のほか、商務省は2024年7月に、先進パッケージングに関する研究開発プロジェクトを募集すると発表していた(2024年7月10日記事参照)。

なお、商務省は4億ドルの助成に加え、アムコーに対して約2億ドルを融資する。また、アムコーは25%の投資税額控除(2023年6月15日記事参照)を申請する見込みだ。

CHIPSプラス法による助成は、台湾の大手半導体製造グローバルウェーハズに続いて15社目となる(2024年7月23日記事参照)。

(注)TSMC、グローバルファウンドリーズに対しても、CHIPSプラス法に基づく助成が発表されている(2024年4月9日記事参照2024年2月21日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国)

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