成都市がSF産業の発展計画を発表（中国）

中国の成都市政府は12月6日、北京市内で「コンテンツ産業投資促進セミナー」を開催し、その中で「成都市SF産業発展規画」を発表した。

同規画では、2023年10月に開催された「第81回世界SF大会（ワールドコン）」（注）の開催地である成都市の郫都区をSF産業の中心地域に、天府新区と高新区をそれぞれSF関連産業の集積地とモデル地区に位置付けた。郫都区では、ワールドコンのブランド力を生かし、SFに関連する映画、ドラマ、文化、エンターテインメント、旅行およびハイテク設備などの発展に注力する。天府新区では、SF産業に関連するイベントや展示会を開催し、関連産業の集積やプロジェクトの育成を目指す。高新区では、ゲーム、Eスポーツ、アニメとSFの融合を促進する。

中国SF研究センター、南方科技大学・科学人類想像力研究センター、中関村SF産業イノベーションセンターが、2024年4月に共同で発表した「2024中国SF産業報告書」によれば、2023年における中国のSF産業全体の売上高は前年比29.1％増の1,132億9,000万元（約2兆3,790億円、1元＝約21円）と「百億級」から「千億級」の規模に入った。そのうち、SF文化・観光業の売上高が前年比2.1倍の310億6,000万元、SF映画・ドラマが38.8％増の115億9,000万元、SFゲームが15.4％増の651億9,000万元と伸び率が顕著だった。成都市のSF産業全体の売上高は17.5％増の235億2,100万元で、全国のSF産業発展を支える重要な原動力となっている。

（注）「世界SF大会（ワールドコン）」は、世界SF協会（WSFS）が主催し、ヒューゴー賞の授賞式を行うなど、毎年、各国の作家や愛好家が集うSF関連の大会だ。

（曾小桐）

（中国）