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星野リゾート、ニューヨーク州に米国初の温泉旅館を2028年に開業予定(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月24日 1時10分

温泉旅館やリゾートホテルの運営を手掛ける星野リゾート(本社:長野県軽井沢町)は10月17日、2028年に米国ニューヨーク州北部に位置するシャロンスプリングスに、温泉旅館を開業すると発表した。同社によると、日本のホテル会社が米国で温泉旅館を開業するのは今回が初となる。

温泉旅館の開業場所は、ニューヨーク市マンハッタン区から車で約3時間半の温泉地、ショハリー郡シャロンスプリングスに位置する。今回開業する施設では、最大40室の客室を備え、特にニューヨークやボストンに住み、3~4泊の旅行を考える人々をターゲットとして、敷地内の鉱泉を利用した日本の本格的な温泉旅館のもてなしを提供する。星野リゾートの星野佳路代表は「世界のホテル産業の中心である北米に足場を築くことは、当社の長期的な事業戦略にとって極めて重要だ」とした。プレスリリースでは「日本のホテル会社が米国に進出する時には、日本文化を反映したコンセプトが期待される」としており、今回、温泉旅館という形態で進出した狙いを説明している。星野氏は併せて「温泉旅館に対する当社の専門知識と情熱をこの地域社会とともに活用することで、ぜひ訪れたい旅行先としてふさわしい評判の活性化に貢献したい」との意気込みも示している(米旅行誌「トラベル・アンド・レジャー」10月17日)。

シャロンスプリングスはかねて、米国の先住民が治癒効果を求めて鉱泉を利用してきた歴史があり、カヤックやパドルボードなどの野外レクリエーションと、豊かな自然に恵まれたウェルネスツーリズムと呼ばれる健康志向の旅行先としても知られている。非営利団体のグローバル・ウェルネス・インスティテュートによると、ウェルネスツーリズムを含むウェルネスエコノミー(健康経済規模)は米国で2020~2022年で年平均14%もの成長を記録している。また、日本の国土交通省観光庁が発表している訪日外国人の消費動向によると、訪日外国人の48.2%が次回訪日の際には温泉入浴をしたいと回答するなど、日本に関心を寄せる人々の温泉に対する関心も高い。米国にはカリフォルニア州など西海岸を中心に温泉が多数存在しており、今後、米国で今回の発表と同じような業態が拡大・定着していくのか注目される。

(加藤翔一、樫葉さくら)

(米国、日本)

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