2025年春に中央省庁を再編へ、企業実務への影響に懸念も(ベトナム)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月6日 15時35分
2024年12月1日に開催されたベトナム共産党の全国会議で、政治・行政の効率化を目的に、2025年春の大規模な政治・行政機構の再編計画の検討が進んでいることが明らかになり、日系企業からは期待と懸念の双方の声があがっている。
共産党や国家機関などの組織の見直しを進める方向性は、2017年の中央委員会決議18号(18/NQ-TW)で定められていたが、2024年秋ごろから、同決議に関する中央指導委員会を中心に、再編案策定の議論が加速した。組織の合理化・効率化を志向するトー・ラム書記長の意向が反映されたものとみられる。
見直し対象は、党機関や中央省庁、政府や国会の傘下機関など広範囲にわたる。政府やその関係機関については、2025年2月の臨時国会で新たな組織体制を決定し、3月には再編を完了する方針だ。
現地報道によると、中央省庁の再編では、現在の18省8機関体制から、5省4機関を削減して13省4機関体制にする。また、各省の管轄下に計13ある総局のうち12総局を廃止し、全省庁で500の部局を削減する方針だという(VNエクスプレス2024年12月17日)。具体的には、財政省と計画投資省、情報通信省と科学技術省、運輸省と建設省、天然資源環境省と農業農村開発省の統合、労働戦傷病兵社会問題省の解体と内務省・教育訓練省・保健省への業務移管などが検討されている。
省庁再編を通じて各組織・機関の業務や役割を整理して明確化することは、中長期的なコスト削減や業務効率化につながるが、行政が一時的に機能不全に陥り、各種手続き・認可が遅れるなどの新たなリスクも危惧される。
ベトナム日本商工会議所は意見書を提出
日系企業からも再編による行政の混乱を不安視する声があがっており、ベトナム日本商工会議所(JCCI)は2024年12月27日、ラム書記長、ファム・ミン・チン首相宛てに、再編が企業実務に与える影響を抑えるべく、懸念を伝える意見書を送付した。
JCCIの意見書では、省庁再編の取り組みを評価し、手続きの迅速化に期待を寄せつつ、(1)計画投資省とその傘下の外国投資庁が果たしてきた外国企業の投資相談や、各種許認可を行う他省庁との折衝窓口などの機能の保全、(2)労働傷病兵社会問題省が果たしてきた従業員の労務や駐在員の労働許可などの相談窓口の機能の保全、(3)投資認可審査の遅延防止、などを要望した。JCCIの武藤司郎会頭によると、「省庁再編を見越し、既に地方省で投資認可を中断する動きが起きている」という。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
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