福井県内で活躍する外国人材の増加目指し、県が専門相談窓口を開設（福井）

福井県は7月29日、県内企業による外国人材の採用・定着、外国人材の県内への就職を支援する窓口として「FUKUI外国人材受入サポートセンター」を福井市内に開所した。県内企業による外国人材の雇用ニーズの高まりを受け、これまで福井県人材確保支援センターの中に設置していた外国人受け入れ相談窓口が独立した支援拠点となった。

同県では6月の有効求人倍率が1.85となり、75カ月連続で全国で最も高い水準となっている。人手不足が深刻な中、県内企業は外国人材に活路を見いだそうとしており、2023年10月時点で県内で働く外国人の数は1万1,101人と、過去10年で2倍以上に増加。外国人材は県の産業の重要な担い手となっている。

外国人材受入サポートセンターの開所式（ジェトロ撮影）

福井県は外国人材のさらなる雇用拡大と、それに伴う定着支援ニーズを踏まえ、受け入れ準備から採用、就労開始・生活支援、定着に至る4つの段階に応じた支援や補助金提供などを行ってきたが、今回開所したFUKUI外国人材受入サポートセンターではこれらを一貫してサポートする。

同センターでは、企業、外国人材それぞれの相談窓口を設けている。企業相談窓口には行政書士や社会保険労務士を配置し、雇用・労務管理、定着・育成、求人選考、在留資格などに関する相談対応や社内体制整備の支援を行う。外国人材向け相談窓口には、就職・就業に関する伴走型支援を行うキャリアコンサルタントを配置し、日本での就職制度・慣行、採用選考、雇用契約、キャリア支援に関する情報提供や相談対応を実施する。

FUKUI外国人材受入サポートセンターの相談窓口（福井県提供）

同センターの運営責任者の坪川貞子氏は「新たに外国人の採用を目指す企業のみならず、既に外国人を雇用している企業への情報提供などの支援も行う」とし、県内企業で働く外国人材に対しても「個人のキャリアステップに応じた支援の提供や、日本に留学している全国の外国人留学生と県内企業をつなぐオンラインのマッチングイベントの開催など、一歩踏み込んだ取り組みを行う」と述べた。

福井商工会議所の林正博副会頭は「福井県の人材不足は受注機会の喪失や倒産危機につながっており、これを乗り越えるためには、外国人の積極的な採用・定着支援が不可欠だ。今回開所したセンターは県内企業の課題に対応する時宜を得たもので、センターが福井の未来を切り開くことを期待している」と述べた。

（齋藤寛）

（福井）