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輸入代金の支払い条件を緩和、通関後60暦日・2分割払いが可能に(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月25日 13時20分

添付資料PDFファイル(104 KB)

アルゼンチン中央銀行は2024年7月23日、中銀通達A8074を公布し、2024年8月1日以降に輸入代金の支払い可能時期を、これまでの通関後120暦日・4分割払いから、通関後60暦日・2分割払いに短縮した。同様に、完成自動車やぜいたく品の輸入代金の支払い可能時期を通関後120暦日から90暦日経過後に短縮した。

2023年12月13日以降に輸入通関された貨物のFOB建ての輸入代金の支払いはこれまで、通関後、30暦日経過後に25%、60暦日経過後に25%、90暦日経過後に25%、120暦日経過後に25%と4分割で支払うことが規定されていたが、今回の措置により、通関後30暦日経過後に50%、60暦日経過後に50%と短縮された。支払い条件がCIFやCFRの場合、運賃、保険料は従来どおり最初の支払い、すなわち通関後30暦日経過後に全額を支払うことができる。中銀によると、120暦日・4分割払いは、輸入総額の50%を占めていた。

完成自動車(メルコスール対外共通関税分類番号:NCM8703)および中銀の「貿易と為替に関する通達集」12.1項に記載のNCMに該当するぜいたく品については、2024年6月27日に公布された中銀通達A8054により、それまで通関後180暦日経過後とされていた支払い可能時期が同120暦日後に短縮されていたが、今回、それがさらに同90暦日後に短縮された。

エネルギーは通関後即時、肥料、医薬品、食料品などで同通達集12.2項、12.3項に記載のNCMに該当する品目は通関後30暦日経過後に支払えるという規則は、従来どおりで変更はない。新旧の支払い可能時期の比較は添付資料表のとおり。

中銀は輸入代金の支払い可能時期の短縮について、輸入者の負担が軽減されるため、経済の活性化につながる。並行市場を通じて国外のサプライヤーに輸入代金を支払わざるを得なかった輸入者による為替コストの価格転嫁が軽減され、物価の安定につながることをプラスの効果として挙げている。現状、国外のサプライヤーが通関後120暦日の支払い猶予を与えない場合、輸入者は、優良スワップ取引(CCL)と呼ばれる有価証券、主に取引量の多いアルゼンチン国債の売買を通じて外貨を取得する方法で輸入代金を支払うことがある。これが、中銀が指す「並行市場を通じた輸入代金の支払い」だ。その仕組みとしては、アルゼンチンと米国など国外に銀行口座と証券口座を開設し、国内においてペソで購入した有価証券を国外の証券口座に移転し、国外で売却することで外貨を取得する。ペソ建てと外貨建ての有価証券の交換比率は公式為替レートと比べて割高(ペソ安)のため、輸入者側で為替差損が生じる。このコストを価格転嫁することが回避されるだろう、というのが中銀の説明だ。

なお、通関前、支払い可能時期前の輸入代金の支払いは、国外からファイナンスを得ない限りは引き続き不可となっている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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