タイ政府、低品質な輸入品や法律違反の外国企業問題を解決するための5つの措置を承認（タイ）

タイ政府は9月3日、タイ商務省が提出した低品質な輸入品や法律に違反する外国企業の問題を解決するための5つの措置（63の行動計画）を承認した。

この計画は、低品質な製品が国内に大量に流入している点について、企業や消費者から苦情が寄せられていたことを受けて同省が提案したものであり、関連する政府機関に63の行動計画を実施することを求めている。なお、5つの措置の内容は次のとおり。

1. 税関など関係当局の輸入品検査の強化：通関時のコンテナ開封率の引き上げや、タイ工業規格協会やタイ保健省食品・医薬品局などによる規格外輸入品の検査強化など
2. 電子商取引などの各種制度の見直し：外国の電子商取引業者のタイでの法人設立の義務付けや、工業規格基準の規制対象の拡大など
3. 税制措置：関税、法人所得税、付加価値税（VAT）、アンチ・ダンピング措置（AD）、輸入増加に対するセーフガード措置の強化など
4. 中小企業支援措置：技術開発や電子商取引を通じて輸出を拡大するなど、国内中小企業の競争力強化を促進
5. 貿易相手国との連携：日中韓などの貿易相手国と連携し、タイを電子商取引のリージョナルハブとして推進

政府はまた、今後、担当機関が定期的な進捗状況の確認と検討の場を設けることも決定した。現地報道によれば、タイ商工会議所（TCC）のサナン・アンウボンクン会頭は当該措置について、「（低品質な輸入品の流入による）影響を受けている事業者にとっては良い対策だ」と評価した。一方、対象製品へのアンチ・ダンピング措置の発動強化など、非常に安価な輸入品に対しては、より積極的な対策をとるよう政府に提案した（8月22日付「ネーション」紙）。

（藤田豊、ピンラウィー・シリサップ）

（タイ）