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JS-SEZ最終合意、10年で100件の高付加価値プロジェクト実現へ(マレーシア、シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月9日 9時40分

添付資料PDFファイル(347 KB)

マレーシアとシンガポール両国政府は1月7日、ジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)設立に関し、最終合意に至った(マレーシア外務省シンガポール首相府)。マレーシアのアンワル・イブラヒム首相とシンガポールのローレンス・ウォン首相がマレーシアの行政首都プトラジャヤで開催した第11回両国首脳会議で、ラフィジ・ラムリ経済相とガン・キムヨン貿易産業相による合意文書交換に立ち会った。両国は越境経済圏への投資誘致とヒト・モノの移動円滑化を主眼に、2024年1月にJS-SEZ共同開発に関する覚書を締結し(2024年1月15日記事参照)、同年後半にかけて最終調整を行っていた。

JS-SEZは、5年以内に50件の高付加価値プロジェクト達成と、2万人の熟練雇用創出を目指す。さらに、今後10年間でプロジェクト数を100まで拡大させたい考えだ。JS-SEZはプロジェクトごとに運営され、事業承認ベースでインフラが整備されていくとラフィジ氏は説明した。

アンワル首相は、2カ国が同一事業を通じて両国への投資促進で協同するのは国際的にもユニークな取り組みだと評価し、ウォン首相も、両国・地域の「補完性」を多くの利点をもたらすエコシステムと捉えることで、「双方の強みを生かし、JS-SEZを競争力ある魅力的な活動の場にできる」と、投資家に呼びかけた。

ジョホール州南部9エリアで高付加価値産業誘致、優遇措置も

JS-SEZは、6自治体、3,500平方キロ超に及ぶ9つの「フラグシップ・エリア」を対象とする(添付資料参照)。2024年9月に金融特別区に指定されたフォレストシティも含む(2024年9月24日記事参照)。ジェトロの調べでは、ジョホール州に所在する日本企業は2023年10月現在で164社あり、電気・電子産業を中心に、半数以上がジョホールバル、またはパシルグダンに所在する。

JS-SEZでは、第三国やシンガポールから、11の経済セクター(製造、物流、食料安全保障、観光、エネルギー、デジタル経済、グリーン経済、金融、ビジネスサービス、教育、医療)への投資を誘致する狙いだ。

JS-SEZの優位性として、マレーシア政府による税制優遇やインフラ支援、「マレーシア投資促進センタージョホール支所(IMFC-J)」のワンストップ機能、DEランタウに代表される柔軟なビザ(2024年5月14日記事参照)などが挙げられる。特に税制優遇について、特区内企業は1月1日以降、高付加価値活動に対する特別法人税率や知識労働者への特別所得税率などの恩典を享受できる(2025年1月8日付財務省発表)。また、1月7日付「マレーメール」紙は、ジョホール州がデータセンターハブになりつつあることから(2024年12月20日付地域・分析レポート参照)、JS-SEZが同産業のサプライチェーンを強化しつつ、地元企業へのビジネス機会をもたらすことへの期待にも触れた。

(吾郷伊都子)

(マレーシア、シンガポール)

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