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野党代表、大統領選勝利をアピール(ベネズエラ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月31日 15時15分

ベネズエラで7月28日に行われた大統領選挙で、現職のニコラス・マドゥロ氏の再選が発表されて以降、国内各地で抗議行動が続いている。30日にカラカス市で抗議デモを行った野党側代表のマリア・コリーナ・マチャド氏は、敗者とされた野党側候補のエドムンド・ゴンサレス氏の勝利を「数学的に不可逆的だ」とアピールした。

各地で起きた抗議行動では一部で死傷者が出たものの、30日に首都カラカスで行われた抗議デモでは、大きな混乱は生じなかった。なお、野党側の動きに対し、ホルヘ・ロドリゲス国会議長は「選挙結果を受け入れない両人(マチャド氏とゴンサレス氏)を逮捕すべきだ」と議会で述べるなど、敵対姿勢をあらわにしている。

野党側は、投票結果の集計に不正があったと指摘している。投票は機械式だが、各自の投票ごとに投票用紙が出力され、投票者は内容を確認後、それを投票箱に入れる。各投票所では投票終了後、手作業で集計が行われるが、同時に機械の集計記録も出力される。手作業、機械の双方の集計結果が照合された後、データは選挙管理委員会(CNE)に送信される。野党側は、30日時点でこの紙媒体の集計記録の84%を集めて検証した結果、ゴンサレス氏の得票率が70%に達したと主張している。なお、この集計記録をスキャンしたと思われる写真データは専用のウェブサイト上で公開されており、投票者は自身の身分証番号を入力することで、同データを閲覧することができる。

画像 野党側の集計記録が公開されているウェブサイト(ジェトロ撮影)

野党側の集計記録が公開されているウェブサイト(ジェトロ撮影)

選挙結果の透明性求め、高まる国際圧力

今回の大統領選に関連して、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は「ベネズエラ国民の意思を反映していない」として、詳細な選挙結果を国際社会に示すよう求めた(2024年7月30日記事参照)。周辺の中南米諸国でも同様の動きがみられる。チリのガブリエル・ボリッチ大統領は29日、「国際社会もベネズエラ国民も発表された結果を信じることは難しい。透明性を持った情報公開を求める」と自身のX(旧Twitter)で発信し、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領も同様の意思表明を行った。ブラジルはメキシコ、コロンビアと共同で、全投票の集計結果と各地区の選挙人名簿の公表をベネズエラに求める声明を協議中と各紙で伝えられている。そのほか、ペルー、エクアドルなども今回の選挙結果に疑義を表明している。

なお、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のほか、中国やキューバ、イランといった国々は選挙結果を認め、マドゥロ大統領の勝利を祝うコメントを公表している。

(豊田哲也、マガリ・ヨネクラ)

(ベネズエラ)

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