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COP29閉幕、気候資金目標額引き上げ合意、COP30はブラジルで開催予定(アゼルバイジャン、世界、ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月27日 13時30分

アゼルバイジャンのバクーで開催された国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)(2024年11月12日記事参照)では、最終合意をめぐり協議が難航し、会期を2日延長して11月24日に閉幕した。

合意文書では、気候資金について、これまで1,000億ドルだった途上国支援目標を「2035年までに少なくとも年間3,000億ドル」と定めた。また、全ての国や機関に対し、公的および民間の資金源からの途上国向けの気候行動に対する資金を2035年までに年間1兆3,000億ドル以上に拡大することを求めた。温室効果ガス(GHG)排出削減量の国際取引に関するパリ協定第6条に関しては、国際的に協力して削減・除去対策を実施するための詳細ルールが決定され、完全運用化が実現した。

適応に関する世界目標の進捗指標が決定されたが、「損失と損害(Loss and Damage)」に関する議論や、パリ協定で定めた各目標に対する進捗状況を5年ごとに包括的に評価するグローバル・ストックテイク(GST)の議論は次回に持ち越された(2023年12月1日記事参照)。

他方で、3,000億ドルに引き上げられた気候資金目標に対し、年間1兆ドル以上を求めてきた途上国側からは不満の声が上がっている。インド代表の財務省経済局顧問のチャンドニ・ライナ氏は「この文書は目の錯覚に過ぎず、われわれが直面する課題の大きさに対応できない」と述べ、合意に納得していない姿勢を見せた(ロイター11月25日)。

日本政府はCOP29で日本の取り組みを発信し、日本企業も最先端技術やノウハウを紹介した。11月14日に日本政府はアゼルバイジャンと共催で「透明性閣僚イベント」を実施し、気候変動対策の透明性向上に貢献した。11月20日には浅尾慶一郎環境相が閣僚級セッションでナショナル・ステートメントを行い、1.5度目標達成のためのNDC(国が決定する貢献)実施が重要であると発表した。日本が2025年までの最大700億ドルの支援や、アジア太平洋地域での早期警戒システム導入を促進に取り組んでいることを挙げ、全締約国にもGHG削減目標設定を求めた。また、ジャパンパビリオンでは再生可能エネルギー、省エネルギー、廃棄物処理システムなどの技術を展示し、100カ国以上から来場者が訪れた(2024年11月20日記事参照)。

次回のCOP30はブラジルのアマゾン地域にあるベレンで2025年11月10~22日に開催の予定だ(2024年10月7日記事参照)。

(小野塚信)

(アゼルバイジャン、世界、ブラジル)

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