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2023年のEUの鉄鋼需要は前年比9%減も、2024年はプラス予測を維持(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月16日 0時10分

欧州鉄鋼連盟(EUROFER)は4月29日、四半期ごとに発表している2024~2025年EU経済および鉄鋼市場見通しを発表した(プレスリリース)。2023年のEUの鉄鋼需要は、エネルギー価格や生産コストの上昇、世界経済の不確実性の高まりなどで悪化し、前年比9.0%減だった。また、域内消費向け生産量は同7.9%減だった。2024年の鉄鋼需要予測については前年比3.2%増と、前回見通し(2月)の同5.6%増から下方修正したが、プラス予測を維持した。

EUROFERのアクセル・エッゲルト事務局長は、現況は見通し以上に厳しいと危機感を示し、鉄鋼部門の強靭(きょうじん)化と気候中立に向け、競争力の高いクリーンエネルギーやグローバル市場における公正な競争、さらに企業の資金調達支援やグリーン鉄鋼(注)生産などに資するEUの産業政策が必要だとした。

進む輸入相手国の多角化、日本の対EU輸出量も著しく増加

2023年のEUへの輸入量(鋼片も含む)は前年比8.5%減だったが、EUROFERは「輸入品の市場シェアは27%と引き続き高水準」と強調した。EUROFERが2024年2月に発表した2023年1~11月の統計によると、輸入相手上位3カ国・地域(輸入量ベース)はインド、韓国、中国で、日本は7位だった。前年同期に首位だったトルコ(前年同期比51%減)や4位だった中国(13%減)からの輸入量が減少したのに対し、日本(32%増)、ベトナム(38%増)や台湾(12%増)からの輸入量は増加した。

鉄鋼ユーザー業界については、2023年の生産高は前年比1.1%増だったが、2024年は同1%減を予測。景気後退の要因として、EUの鉄鋼消費の35%を占める建設部門の低迷や国際情勢、製造業への金利上昇の影響を挙げた。しかし、2025年には前年比2%増と緩やかだが回復する見込みとした。

(注)生産過程で二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減した鉄鋼。

(滝澤祥子)

(EU)

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