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バイデン米政権、UFLPA事業者リストに中国の食品企業など29社追加(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月25日 10時50分

米国国土安全保障省(DHS)は11月22日、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)に基づく輸入禁止対象の事業者を掲載した「UFLPAエンティティー・リスト(EL)」に中国企業29社を追加したと発表し、25日付の官報で公示した。今回追加指定した事業者の製品の米国への輸入は同日以降、原則禁止される。

UFLPAは2022年6月に施行された米国法だ。(1)物品の採掘・生産・製造が中国の新疆ウイグル自治区で行われた場合、または(2)UFLPAのELで指定した企業・団体が物品の生産などに関与した場合、強制労働の利用があるとみなして米国への輸入を禁止する。例えば、日本から米国への輸入でも、これらに該当する中間財などを使用した物品は同法に基づく輸入差し止めなど取り締まりの対象となる。今回の追加指定で、EL掲載の事業者数は合計で107企業・団体となった(注1)。

今回追加指定の29社のうち、4社は同自治区で銅、リチウム、ベリリウム、ニッケル、マンガン、金などの採掘、精錬、加工を行う新疆有色金属工業集団(Xinjiang Nonferrous Metals Industry Group)とその子会社、1社は同自治区でアルミニウム製品の研究開発・製造販売を行う新疆衆和(Xinjiang Zhonghe)、残りの24社は中国各地の農産品・食品分野の企業だった。このうち、天津天偉食品(Tianjin Tianwei Food)は天津市に所在するトマト製品を中心とした加工食品メーカーで、同自治区からトマトなどの原材料を調達したとの疑いに基づいて今回追加指定した。

DHSのロバート・シルバース次官は発表で「本日の執行措置は、米国市場に持ち込まれる物品に強制労働が存在することを容認しないという米国政府の方針を明確に示すものだ」「企業には、責任を持ってサプライチェーンを把握し、倫理的に行動することを強く求める」と述べた。

UFLPAのELへの追加指定は、今回の発表を含めて2024年中で6回目(注2)。米国に輸出する企業にとっては、製品のサプライチェーンにおける日頃の人権デューディリジェンスの一環として、UFLPAのELに掲載された企業・団体との関わりを追加指定のたびに確認することが重要だ。

(注1)併せて指定している子会社や関連組織を除く。UFLPAのELの詳細はDHSウェブサイト参照。

(注2)UFLPAの概要や動向は、ジェトロ特集「ウイグル強制労働防止法」参照。

(葛西泰介)

(米国、中国)

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