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中国EU商会の提言書、市場アクセス改善やビザ免除拡大を要望(中国、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月17日 10時50分

在中国の欧州企業の団体、中国EU商会は9月11日、中国政府へのビジネス環境改善などの要望をまとめた提言書を発表した。会員企業が中国でビジネスを展開するに当たり、改善がさらに必要とする重要課題を6つの領域に分け、提言を行っている(注)。各領域の主な課題と提言は、次のとおり。

(1)市場アクセスと調達

中国での事業展開や投資で、市場アクセスの制限は長年にわたる大きな課題となっていると指摘した上で、中国国内生産での標準の明確化や、政府調達での公平な競争条件の設定に向けた「政府調達法」の改正を提言。

(2)人的資源と業務出張

外国籍人員の個人所得税優遇措置の延長や、一部EU加盟国への訪中ビザの免除措置は一定の評価をするものの、税制優遇は一時的な措置に過ぎず、ビザ免除の対象はEU加盟国の半数以下と指摘した上で、全EU加盟国に対するビザ免除措置を提言。

(3)デジタルとサイバーネットワーク

データ域外移転に関しては、ビジネスの発展を妨げるのではなく促進するために、中国政府はネットワーキング規制の改善措置を講じる必要があると指摘。今後の政策立案で、「重要データ」や「機微な個人情報」の定義が広がり過ぎることは避けるべきであり、個別の業界の規制や政策は「データ域外流通を促進・規範化する規定」(2024年4月9日記事参照)と調和させるべきと提言。

(4)グリーンエネルギーへのアクセス

中国での事業を迅速に脱炭素化し、世界的なESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを達成するため、グリーンエネルギーへのアクセスは不可欠で投資判断の重要な指標になると指摘し、中国政府は関連政策を発表しているが、依然として多くの課題が残されているため、さらなる政策の整備が必要と提言。

(5)知的財産権

知的財産権の関連法規制は改善されてきたが、施行の面では依然として課題が残ると指摘した上で、中国市場に既存の製品を導入するだけではなく、最先端の技術を導入し、中国で研究開発活動を行うには、関連法規制のさらなる改善が必要と提言。

(6)投資促進と円滑化

中国政府との対話の機会は増加しているが、実質的な内容に欠け、要点の事前提出や形式的なものがあると指摘。あらゆるレベルの政府関係者との対話を重要視しているが、具体的な結果を見る必要があると提言。

(注)今回の提言書は1,700社超の会員企業の意見を集約し、1,043項目の提言を掲載している。

(亀山達也)

(中国、EU)

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