イスラエルのネタニヤフ首相、ギャラント国防相を解任、後任にカッツ外相(イスラエル、パレスチナ、米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 15時10分
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は11月5日、ヨアフ・ギャラント国防相を解任すると発表した。ネタニヤフ首相は声明で、「ギャラント国防相との間に、作戦の運営に関して大きな隔たりが生じ、こうした隔たりには、政府決定や閣議決定に反する発言や行動が伴っていた」と述べた。さらに、「溝を埋めようと試みたが、溝は広がるばかりで、信頼関係の危機が公になり、作戦の運営を妨げている」として、国防相の任期を終了することにしたと述べた。ギャラント国防相の任期は48時間後に終了した。
ネタニヤフ首相がギャラント国防相の解任を発表するのは今回が2回目で、2023年3月にネタニヤフ政権が推進していた司法改革にギャラント国防相が反対を表明したことから、3月26日に解任し(2023年3月29日記事参照)、その後4月10日に復帰させていた。
ギャラント国防相は11月5日に会見を行い、「私の解任は、3つの主な問題に対する意見の相違に起因している」と述べた。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(11月6日)によると、解任の理由として、次の3点について、ネタニヤフ首相と意見の相違があったとしている。
1. 超正統派の男性をイスラエル国防軍(IDF)に徴兵する必要性(2024年6月27日記事参照)
2. パレスチナ自治区ガザ地区から人質を連れ戻す必要性
3. 10月7日のハマスの奇襲攻撃(2023年10月10日記事参照)とそれに続く戦闘に関する国家調査委員会の設置の必要性
ギャラント国防相は11月6日、X(旧Twitter)上で、「私はイスラエルの戦死者とその家族、負傷した退役軍人、人質とその家族、そしてIDFの兵士と治安部隊全員に敬意を表する」と投稿した。
ギャラント氏のX(旧Twitter)での投稿
ネタニヤフ首相は、ギャラント国防相の後任にイスラエル・カッツ外相を任命し、カッツ外相の後任には9月下旬に連立政権に復帰したギデオン・サール氏を充てるとしている。
米国国防総省のロイド・オーティン長官は11月7日、ギャラント国防相と電話会談を行った。米国国防総省によると、オースティン長官はギャラント国防相に対し、「信頼できるパートナーであり友人であり、彼の専門知識、プロフェッショナリズム、そして安全保障上の課題に対処するための経験豊かな判断力が高く評価されていた」と述べた。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、米国)
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