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米ロサンゼルス港の7月の貨物取扱量は過去最高に、紅海のリスク回避や西海岸へのシフトが背景(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月15日 11時55分

米国のロサンゼルス港は8月13日、7月の貨物取扱量を発表した。7月の貨物取扱量は93万9,600TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)で、前年同月より37%増加した。同港の貨物取扱量は、大きな混雑が見られた2022年7月に過去最高を記録した(2022年8月26日記事参照)が、今回はこれを上回り、同港116年の歴史の中で7月としての取扱量の記録を更新した。また、2024年1~7月の貨物取扱量は2023年の同期間の取扱量を18%上回っている。

貨物取扱量の増加の要因について、ロサンゼルス港のジーン・セロカ事務局長は8月13日の記者会見で「遅延リスクを回避するために、年末のホリデー商品が例年より少し早めに港に到着している。ピークシーズンが早まったことで、ロサンゼルスでは取扱量が増加している。これは、紅海に関わるリスクを回避するために荷送人が追加の予防措置を講じていることが一因」と述べている。また、同氏は「推移を追っている一部の者は、7月にピークを迎えたかもしれないと考えているが、それが実態を反映しているかは経済に大きく左右される」との展望を述べた。

同日の記者会見でセロカ氏と対談したS&Pトランスポーテーション・コンサルティングのポール・ビンガム氏は「荷主はスエズ運河の事実上の閉鎖や、米東海岸の港湾労働者のストライキの可能性など、他の幾つかのリスク要因を注視し、ピークシーズンの早い時期に貨物が西海岸に意図的にシフトしている。しかし、ストライキが起こったとしても、おそらく期間は最小限で、海運業に深刻な影響を与えることはないだろう」との見解を示している。

元ロサンゼルス港湾局職員でジェトロ・ロサンゼルス事務所の物流アドバイザーを務める森本政司氏にヒアリングしたところ、「貨物取扱量は増加しているが、新型コロナウイルス禍の混乱を経験した米国の物流システムは大きく改善しており、内陸を含めて混雑の懸念は見られない。また、ここ数カ月高騰していた海上輸送料金について、今後の動向は紅海の状況次第だが、7月をピークに最近は低下の動きとなっている」という。

(堀永卓弘)

(米国)

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