ハリス副大統領とトランプ前大統領、米メディアABC主催の討論会参加に合意（米国）

米国メディアのABCニュースは8月8日、11月の大統領選挙に向けて民主党、共和党からそれぞれ大統領候補として指名されたカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領が9月10日に同局主催で行われる討論会への参加に同意したとX（旧Twitter）で発表した。

トランプ氏とジョー・バイデン大統領は5月、CNN主催の6月の討論会とABCニュース主催の9月の討論会の実施で合意していた（2024年5月16日記事参照）。しかし、トランプ氏は、バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明した後（2024年7月23日記事参照）、9月の討論会に参加しないと発言しており、討論会の実施が不透明な状況が続いていた。今回の発表で、ハリス氏とトランプ氏が参加する初めての討論会開催が確実となった。6月の討論会では、発言時以外はマイクをミュートにするなどのルールが定められた。ABCニュース主催の討論会では、どのようなルールが設定されるのかが注目される。

なお、トランプ氏は同日行われた記者会見で、9月10日のABCニュース主催の討論会に加え、9月4日にFOX、9月25日にNBCが主催する討論会を自ら提案したと述べている（議会専門誌「ザ・ヒル」8月8日）。また、同氏は副大統領候補による討論会を9月にCBSが主催するとも述べた（CBS8月8日）。共和党は7月に行われた全国大会で、トランプ氏を大統領候補に（2024年7月16日記事参照）、J.D.バンス上院議員（共和党、オハイオ州）を副大統領候補に正式に指名した（2024年7月19日記事参照）。民主党全国委員会は、バイデン大統領の撤退表明後に電子投票を行い、8月6日にハリス氏を大統領候補に（2024年8月5日記事参照）、ミネソタ州のティム・ワルツ知事を副大統領候補に（2024年8月7日記事参照）正式に指名している。

大統領選挙に向けた候補者による討論会は、1988年以降、大統領討論委員会（CPD）が主催してきた。CPDは2023年11月に討論会の予定を発表していたが、バイデン陣営による参加拒否を受け、6月に討論会中止を正式に発表していた。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選に関する最新動向を随時紹介している。

（赤平大寿）

（米国）