EV電池リサイクルの米レッドウッド、アルティウム・セルズのリサイクルを開始(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月4日 0時20分
米国で電気自動車(EV)用バッテリーのリサイクルなどを行うレッドウッド・マテリアルズ(本社:ネバダ州カーソンシティ、注1)は5月23日、ゼネラルモーターズ(GM)とLGエナジーソリューションのバッテリー合弁事業であるアルティウム・セルズのオハイオ州とテネシー州の工場の生産スクラップをリサイクルすることを発表した。
リサイクルされるのは、カソード(陰極)材、アノード(陽極)材とバッテリーセルのスクラップが含まれる。このアルティウム・セルズの2カ所の工場では、年間で合計80ギガワット時(GWh)以上のバッテリーセルの生産を予定し、製造過程からのスクラップの大部分を、レッドウッド・マテリアルズが引き受けることになるという。
同社はすでに年間4万トンものリサイクルを行っている上、アルティウム・セルズとの契約により、年間1万トンが追加となる。また、この契約により、北米のバッテリー製造業者、大手自動車メーカーの大半が、同社の顧客となったとのこと。顧客には、パナソニック、フォード、トヨタ自動車、ボルボ、フォルクスワーゲンが含まれる。
また、両社は、国内の重要なバッテリー素材や生産を加速するためのエネルギー省(DOE)の融資プログラム局(LPO)による「先端技術車両製造(ATVM)ローンプログラム」(注2)に選ばれている(2022年12月13日記事参照)。
(注1)EV大手テスラの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)だったJB・ストローベル氏が2017年に設立した、不純物を取り除くことで素材として再利用でき、無限に循環利用されるクローズドループのバッテリーエコシステムの構築に取り組む米国のスタートアップ(2023年2月13日記事参照)。
(注2)2007年のエネルギー独立安全保障法(EISA)によって認められた融資プログラム。
(松井美樹)
(米国)
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