1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

米商務省、サプライチェーンのリスク評価と分析でパブコメ募集、IPEF上の重要分野・物品の特定も(米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月5日 13時15分

米国商務省国際貿易局(ITA)は6月3日、グローバルサプライチェーンのリスク評価と分析のため、パブリックコメントを募ると官報で公示した。インド太平洋経済枠組み(IPEF)のサプライチェーン協定で定められた重要分野、重要物品リストの策定に関する意見も募集する。

今回求めるパブリックコメントは、商務省のサプライチェーンリスク評価フレームワークの方法論に関するものと、IPEFサプライチェーン協定の重要分野・物品に関するものの2つに大別される。

商務省は2023年に、同省の産業分析部門が中心になって、専門知識、定量データなどを駆使してサプライチェーンの強靭(きょうじん)化に資する分析を行うサプライチェーンセンターを立ち上げた(2023年11月28日記事参照)。同センターの主要な活動は、米国政府のサプライチェーンリスクの理解能力向上のため、分野横断的なリスク評価フレームワークの構築で、今回のパブリックコメントでは、このフレームワーク構築に資する意見を求める。

IPEFサプライチェーン協定は2月24日に日本、米国、フィジー、インド、シンガポールの5カ国で発効した(2024年2月1日記事参照)。4月17日には韓国に対しても発効した。同協定の第10条は、重要分野・物品リストの作成と、サプライチェーン協議会(注1)を通じた同リストの参加国間での共有を定めており(注2)、同リストの作成に対しても意見を募る。今回、商務省が求める具体的な情報は次のとおり。

サプライチェーンリスク評価フレームワークの方法論:商務省が、サプライチェーンの途絶リスクが高まっている経済安全保障・国家安全保障に関連する製品や分野を特定するために、活用を推奨するツールは何か。企業・団体にとって、サプライチェーン上のリスク評価に影響を与える要因は何かなど。
IPEFサプライチェーン協定に基づく重要分野・物品の特定:商務省は「重大または広範な経済的混乱(significant or widespread economic disruptions)」をどのように評価すべきか(注3)。協定の第10条に列挙されている要素のうち(注4)、重要分野・重要物品を決定する際に優先すべき要素はどれかなど。

パブリックコメントは、連邦政府のポータルサイト(ID:240530-0148)からオンライン提出が可能で、期限は6月21日までと定めている。

なお、商務省のジーナ・レモンド長官はIPEF閣僚級会合のため、6月3日から6日まで、シンガポールを訪れている。また、米国通商代表部(USTR)も3月から、サプライチェーンを強靭化する貿易・投資政策策定のためのパブリックコメントを求めていた(2024年4月5日記事参照)。

(注1)IPEFサプライチェーン協定は、参加国間のサプライチェーン上の協力を促進するため、IPEFサプライチェーン協議会、IPEFサプライチェーン危機対応ネットワーク、IPEF労働権諮問委員会と称する3つの「IPEFサプライチェーン機関」の設立を定めている(2023年5月29日記事参照)。

(注2)重要分野・物品リストの特定と他の参加国への通知は、協定発効日から120日後までに行うと定めている(2024年2月1日記事参照)。なお、リストはいつでも更新できる。

(注3)IPEFサプライチェーン協定の第1条では、重要分野・品目は「重大もしくは広範な経済的混乱」の防止にとって重要であることなどと定めている。

(注4)供給不足が国家安全保障に与える影響、特定国や特定地域への依存、代替サプライヤーの利用可能性など7つの要素が挙げている。

(赤平大寿)

(米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください