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日本とシンガポール、越境CCSなどで協力覚書を締結(シンガポール、日本、インドネシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月27日 0時55分

日本の斎藤健経済産業相とシンガポールのタン・シーレン人材相兼第2貿易産業相は8月21日、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)に関する協力覚書(MOC)に署名した。両国はMOCに基づき、越境CCSに関する事例の共有とともに、CCS技術に関する情報交換を行う方針だ。

タン第2貿易産業相は発表で、「シンガポールは、CCSの共通基準の導入と、CCSのソリューションを相互に利用できる市場の拡大に向けて日本と密接に協力していきたい」と述べた。また、「日本はCCS技術のイノベーションにおいて先駆的であり、CCS技術の研究と導入について日本から学びたい」と抱負を語った。

両国によるMOCへの署名は、インドネシア・ジャカルタで開催したアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)第2回閣僚会合に合わせて実施された。AZECは日本が2022年1月に、アジア各国の脱炭素化に向けたエネルギートランジション(移行)推進のため提唱したもので、東南アジアの国々や日本、オーストラリアの11カ国による第1回首脳会合が2023年12月に開催された。閣僚会合は2023年3月に続き、今回が2回目だった。

シンガポール、エクソンとシェルと越境CCSプロジェクト調査へ

シンガポールはCCSを脱炭素化のための有効な手段の1つとみており、米国大手石油会社エクソンモービルと英国大手石油会社シェルと共同で、越境CCSプロジェクト開発に向けて動いている。シンガポール経済開発庁(EDB)と両社の傘下にあるエクソンモービル・アジアパシフィックとシェル・シンガポールが結成したコンソーシアム「Sハブ(S-Hub)」は、2030年までに最低250万トンのCO2を恒久的に貯留できるCCSの計画と開発に関する覚書を2023年12月に締結していたと明かし、今後、国境を越えたCCSプロジェクト開発の実現可能性を研究すると発表した。

同庁はSハブと、国外でのCCSプロジェクトの実現可能性調査を行うとともに、関連企業のソリューションをどのようにCCSのバリューチェーンに組み込むかについても調査するとしている。

なお、シンガポールは2024年2月、インドネシアと越境CCSでの協力に関する趣意書(LOI)に署名していた。

(本田智津絵)

(シンガポール、日本、インドネシア)

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